ヴィルヘルム・ハンマースホイ展@国立西洋美術館2008

ハンマースホイという人はまったく知りませんでしたが、
フェルメールとの類似性(写実的な室内表現)が旅行前から
たびたび話題になっていたので、ついでに立ち寄ってみました。

「し~ん」と静まりかえったかの如き室内風景が、
暗く沈んだモノトーンを基調として描かれています。
開け放たれたドアの向こうにも人の気配は感じられません。
しかも、たまに人が登場してもほとんどが後ろ姿。
モデルは妻のイーダ。
鑑賞者は、まさしく「覗き見る者」のごとき錯覚に襲われますが、
頑なに拒否されたような居心地の悪さはあまり感じられません。
むしろ、不思議な浮遊感さえも感じました。

同じ室内表現とは言っても、描かれる人の重みは
フェルメールの場合は「主」であって、ハンマースホイは「従」というか、
極力意識させない程度の存在として描かれていることから、
まったく別の方向性の個性であることがわかります。
テーマが「静かな詩情」とありましたが、まさしくそんな感じです。
これも見応えのある展覧会でした。

会場にはポスターにもなっている絵に登場するパンチボウルも
展示してありました。絵でもわずかに蓋が閉じられていないのが
わかるのですが、これは蓋の割れたところを金具で止めてあった
からなんですね。
c0007388_13304221.jpg

[PR]
by capricciosam | 2008-11-30 13:30 | 展覧会 | Comments(0)


<< 一服します フェルメール展@東京都美術館2008 >>