NHKアーカイブスから

昨夜から今朝にかけてNHKアーカイブスに残る記録を
続けてみることに。

昨夜はC・クライバーのベートーヴェン交響曲第七番。
バイエルン国立過管弦楽団との来日公演らしい。
1980年代の映像だけにハイビジョンではないのは残念だが、
それでも彼の躍動的な指揮姿が観られ、その作り出す響きを
聴くことができたのは僥倖。

今朝は低気圧接近にともなう除雪に備えて、
居間でぼんやりTVを観て待機していた。
肝心の雪は大して降らず、そろそろTVを消そうとしたら、
またアーカイブを偶然目にすることに。
「トップの条件」として3人の方が取り上げられていた。
そのうち現在も存命なのは緒方貞子さんだけ。
松下幸之助や土光敏夫のお二人は鬼籍に入られて久しい。

緒方さんが国連難民高等弁務官として活動された10年間に
イラクにおけるクルド難民問題、旧ユーゴスラビア紛争が発生し、
その時々で厳しい判断を迫られたことは初めて知った。

難民救援活動はクルド難民問題が発生する段階までは、
活動エリアについて
「outside the country」
紛争国の外で、というように規定されていた。
しかし、隣接するトルコが国境を封鎖したために、
難民が逃げ場を失ってイラク国内にやむを得ずとどまって
フセイン大統領(当時)に追い込まれている状況であった。
それを緒方さんは「紛争国内での救援活動」に踏み切る。
活動従事者の犠牲も想定される中、反対を説得しての決断だけに
トップとして非常にシンドイ決断であったと思われるが、
「ルールは変えたけれど、難民を保護する根幹は同じ」
と、さらりとおっしゃる。

将来の紛争を防ぐための活動というのも紹介されていた。
紛争後、お互いの憎しみが消えるわけではないが、
少なくとも共生できるしくみを作っていこう。
そうすることで紛争の再発を防ぐことの可能性が高まる。
紹介されていた旧ユーゴスラビアのボスニアでの「お人形づくり」は、
紛争当時戦ったセルビア、イスラム、クロアチアの
3つの民族の女性が集まってそれぞれの衣装を着せたものを
作っていた。これを「和解まで行かなくても共生する」という言葉で
表現されていた。

現代を次のようにおっしゃる。
「そんなに平和ないい世界に住んでる訳じゃない」
この言葉の重みは、紛争現場に足繁く通われた緒方さんならではか。
そして、こうもおっしゃる。
「現場に行かないと。抽象的に考えてもうまくいかない。」
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by capricciosam | 2009-01-10 22:39 | 時の移ろい | Comments(0)


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