柳家小三冶独演会@真駒内六花亭ホール2009

噂には聞いていた「六花亭ホール」
普段は六花亭のお店として使われているその空間が、
小ホールに変身して演奏会等に使われているらしい。
一回体験したいなぁ、と思えども、なかなかチャンスがなかった。
それが、今回だ。
そうだよ、落語だぁ。
しかも、小三冶だよ。
「ちきしょう、ついてるなぁ~」、てんで、
熊の野郎がいそいそと出かけてまいりました。
おっと、熊五郎になっちゃった。
だいぶ影響されています、ハイ。
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まず、登場したのは二つ目の柳亭こみち。
前座時代は一切嗜好品禁止だったので、甘い物が楽しみで
仕方がなかった、という枕から始めたのが「四段目」
芝居好きの定吉が仕事をさぼって芝居見物したものの、
お店に戻ったら旦那にばれて蔵へ閉じこめられた。
空腹を満たそうと始めたのが好きな芝居のまねごと。
「仮名手本忠臣蔵」四段目の塩治判官切腹の場面。
淀みない語り口でそつなくまとめているが、人物の立体感は
もう少しほしい感じも。さらなる成長に期待。

続いて登場したのは真打ちの柳家はん冶。
落語の世界におなじみの粗忽者が登場する「粗忽長屋」
粗忽者ひとりでもおかしいのに、二人も登場してのトンチンカン。
何しろ行き倒れの死体を隣に住む熊公と思いこんじゃう勘違いぶり。
「おい、おめぇ死んでるんだよ。」
「えっ、オレが!?」
言われた方も否定すりゃいいのに、その気になるから、またおかしい。
短い枕に続く熱演に、しばし大笑い。
語り口はやや渋いのですが、安心して話の世界に浸れます。
3/12(木)18:30~豊平館で師匠の札幌初の独演会があります。

最後は真打ち登場で柳家小三冶。
枕は先日のTV放送の話。あれ以来、顔色の話ばかりされる。
「顔色が悪い」それから「顔が赤い」という話へ。
白雲にかかり、近所の皮膚科へ行ったが、治らないので医大へ。
加齢が原因の脂漏性炎症との診断。
また診てもらいたくて行ったら退職していた。
そんなことから、人というか、縁というか、という話へ。
男女の縁なんてのも出雲の神様がテキトーにやってるんだよ、
なんてことを言って「厩火事」へ。
女髪結とその亭主の話。夫婦ゲンカのあげく女房が仲人に
いつものごとく愚痴をこぼしにきます。
仲人が孔子と麹町の殿様の大事なものをめぐる話をして
亭主の気持ちを確かめさせようとする。
昔から師匠の味のある語り口には魅了されていましたが、
枕といい、「厩火事」といい、相変わらずうまい。
少し言葉が詰まり気味のところもあり、聞いてるこちらも
ちょっとハラハラしたのですが、大事に至らず一席終わります。
師匠はまだまだお若いなぁ、と思っていたのですが、実は
もう70歳になろうかというのですから、こりゃ、生理現象です。

30分程の休憩の後、再び登場しますが、
羽織と羽織ヒモを替えています。
休憩前は羽織の裏地が青、ヒモも青。
今回は裏地が赤、ヒモも赤。
粋ですねぇ~。手を抜いてない。
最後は枕なしの「船徳」
勘当された若旦那が船頭になったはいいが、お客を乗せて
危なっかしい腕前を披露する羽目に。さて、無事目的地に着けるのか。
若旦那の汗したたる様、二人の客のおびえっぷり。
描き分けの見事さ、話の絶妙の間。
熱演でした。
絶品。

休憩前の気になった言葉のつかえなんて微塵もありません。
一席終えて、ウォーミングアップ終了といったところでしょうか。
さすが、名人。
満足な時って、自然に顔がゆるみます。
心がほっこりしてくるんでしょうね。
気がついてみれば開演から3時間近く。
合間にいただいた六花亭のお菓子もおいしかったし、
なんて贅沢なひとときだったことか。
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<2.7追記>
写真を追加、差し替えました。中でも、「満員御礼」ポスターは
当日会場で撮ったものです。今でも、素晴らしい古典落語を
体験できたことに、思い出してはニンマリしています。

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by capricciosam | 2009-02-02 23:20 | 舞台 on stage | Comments(0)


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