札幌交響楽団第517回定期演奏会@Kitara2009

会場で配られた定期演奏会誌の記事に「定期会員アンケート集計結果」
というのがあり、07年12月-08年12月までの定期演奏会で
評価の高かったランキングが掲載されていました。
目についたのは「期待順位」つまり、予想です。
9月の「ピーター・グライムズ」を押さえて期待度が一番高かったのが
今回の3月定期。
「やはり、なぁ~」
この辺は私も会員の方と御同様でした。

さて、注目度のひとつめは、神尾真由子さん。
ご存じ07年チャイコフスキー国際コンクール優勝者です。
優勝後に放送された彼女のドキュメントを観て、その一途に追求する
姿勢の力強さ、真摯さに俄然興味が湧いたのですが、
実は、Kitaraで彼女の演奏に接するのは今回で2度目でした。
04年のノセダ指揮BBCフィルのソリストとして来札していたのです。
あの時は20歳前の、若いが故のがむしゃらさが正面にでた
ような印象の方が強く、はっきりいって感心しませんでした。
(もっとも、オケの演奏自体も感心しなかったのですが…)
当時は演奏曲がメンデルスゾーンだったので、今回のブラームスなら、
成長した彼女にふさわしいのでは、という期待です。

聞き終えての感想は、期待は裏切られなかった、というところです。
端正ではあるが、この曲の持つ躍動感とか、力強さを
あますところなく描写しており、着実に力を蓄えている様子が伺えました。
まだ、20歳とちょっとですから、もっと伸びていかれるでしょうね。
鳴りやまぬ万雷の拍手に応えてアンコール。
パガニーニ:カプリース13番
ところで、対峙する札響の演奏には少々「?」が。
でも、それは次の「田園」でなんとなく理解できたような気がしました。

注目度のふたつめは、指揮者のハンス=マルティン・シュナイトさん。
神奈川フィルの音楽監督もこの3月まで。
高齢で、歩行も少々覚束ない感じであることを考えれば、
札響とは「一期一会」の可能性大でしょう。

さて、田園を聴き進むうちに、ブラームスで感じた印象がますます深まりました。
音自体はよく整えられていて、決して悪くはないのですが、伸びやかさというか、
放射される熱というのが、イマイチ感じられないのです。
まあ、それは演奏の遅さ、という点にもあるのかな、とも考えたのですが、
昨秋のラトル/ベルリンフィル演奏会でこの曲に感じた「うねり」というものの
対極にあるようなスタイルです。
なにか、そのままで終わりそうな気配でしたが、
あきらめずに集中していたら、突然感動がきたのにはびっくり。
そこで、シュナイトさんの方向性は演奏そのものよりも、曲自体の持つ力で
感動を引き出すタイプなのではないか、と思い至ったのでした。
まあ、これなら地元で熱心なファンがいらっしゃるというのも
わからない訳ではないな、というところです。

08/09シーズンの掉尾を飾る定期演奏会にふさわしい内容でしたが、
2日ともチケットは早々に完売で、当日券売場にも長蛇の列ができていました。
c0007388_23385274.jpg

[PR]
by capricciosam | 2009-03-21 23:38 | 音楽 | Comments(0)


<< とうとう対戦も5回目か 旧日ハム打線復活 >>