エッシェンバッハ&PMFアニバーサリーオーケストラ@PMF2009

今年のPMFは修了生によるオーケストラ演奏会から。
編成は65名と小ぶり。

1曲目ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲
エッシェンバッハの指揮はテンポを遅めにとって、
じっくりと音楽を形作っていく様は、以前聴いた時よりも
円熟味を増したからなのだろうか。
そのためか、独奏のエリック・シューマンも丁寧な弾きぶりが耳につき、
年相応のパッションを演奏にこめているようには聞こえないため、
やや平板な印象を覚えてしまい、会場の熱狂とは異なり感興は薄かった。
アンコールにクライスラーのレチタティーボとスケルツォ

2曲目シューマン交響曲第2番
PMFスタートの年。バーンスタインがPMFオーケストラを指揮する曲は
当初自作の「ジュビリー・ゲームズ」だった。
しかし、この曲はレニーが生涯愛したというシューマン交響曲第2番に変更。
死期の迫っている彼の指揮のもと「奇跡」とまで言われる出来だったようで、
この演奏会は残された映像でご覧になった方も多いのではないか。
そして、この曲がPMF生を指揮して演奏する唯一の曲となったことは有名。
会場は今はなき札幌市民会館。
以来、この曲はレニーとともにPMFの「伝説」となった。

それを20年という節目で久しぶりに取り上げた訳だが、
エッシェンバッハは暗譜で指揮する気合いのいれよう。
一曲目の淡々とした演奏に大して期待せずにいたら、
第1楽章から充実した響きとなり、
これが最後まで一糸乱れぬ演奏を繰り広げる秀演となった。
第2楽章のヴァイオリンが駆けめぐるがごとき演奏に対しては、
楽章を終えてエッシェンバッハが身振りでOKを出していたが、
聴いていて、これには十分うなずけた。
とても臨時編成とは思えない。
一期一会の力なのか。
プロの洗礼を受けるとは、やはり凄いものだなぁ、と感じた。

オーケストラとしてのアンコールはなく、会場も明るくなり、
私も出口に向かって移動してまもなく、珍しいことが起きた。
ステージに再登場したファゴットのD・マツカワさんが
日本語で会場に語りかける。
「音楽っていいですね。よろしかったら僕たちの演奏を聴いて
ください。」
すると、ステージに楽器を持ったメンバーが登場して着席。
vn2、va1、vc1、cb1、fl1、ob1、cl2、fg1、hr2、tp1
指揮はD・マツカワさん。
そして室内アンサンブルによって演奏されたのは、
ワーグナーのジークフリート牧歌
シューマンの興奮をやさしくクールダウンするがごとき調べ。
「ポストリュードコンサート」というらしいのですが、
空席も目立ち、立ったまま聴いている人も多かったのですが、
会場からは大きな拍手が送られたことは言うまでもありません。

修了生による演奏会は札幌、苫小牧の2回のみだったようですが、
PMFの成果を知らしめると捉えるなら、実にもったいない感じがしました。
PMFも20周年を迎え、まかれた種は確実に世界中で芽吹いて、
成長していることが実感できる見事な一夜でした。
これからも機会を捉えて、今回のような「成果」を披露していただきたい
ものです。
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by capricciosam | 2009-07-06 23:50 | 音楽 | Comments(0)


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