畏敬の念を感じなかった者の引退

横綱審議委員会のこれまでの判断のゆるさ加減には、
別になくてもいいんじゃないの、と思ったことも度々だったが、
その中では、先日任期切れとなられた内舘牧子さんの直言に
溜飲を下げていた。

しかし、今回の朝青龍の暴行事件での対応では、
横審の対応は素早く、引退勧告書をつきつけていたらしい。
その内容は、

「朝青龍関引退勧告書
平成二十二年一月十六日未明に発生した横綱朝青龍の
一連の不祥事は畏敬さるべき横綱の品格を著しく損なうものである。
示談の成立は当事者間の和解に過ぎない。
横綱に対する国民の期待に背いた責任を免れるものではない。
よって横綱審議委員会規則の内規5、ロ、の
「横綱としての体面を汚す場合」により横綱引退を勧告する。
 平成二十二年二月四日 鶴田卓彦」
(以上、スポニチアネックスより引用)

一読して、簡潔にして十分だと思った。
結局、これが理事会でも居直る朝青龍に引導を渡したようだから、
横審の面目躍如といったところか。

ところで、昨夜の朝青龍の引退会見を見たが、記者から「品格」について
問われても、「品格、品格と言うけれど、土俵上では鬼になってやってきた」と、
開き直りともとれるピントのずれた回答をしていた。
確かに勝負に勝とうと励んだのだろうが、彼にまつわる
見苦しさの多くは土俵内もさることながら、土俵外での素行の悪さとでも
言うべきものだった訳だから、これでは心技体を標榜する相撲道の
頂点に立つ力士として、そもそも、なってはいけないことだったのだろう。
第一、彼を見ていても、ならずものに近い傲慢さは感じても、
「畏敬」を覚えることがなかったのは不幸なことだ。

やはり今回の一件は日本社会が育んできた相撲道というものを
身につけずに最高位につくという不幸が招いたような気がするだけに、
朝青龍だけではなく、親方、相撲協会の責任も相当重いと言わなければならない。
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今夜までのYahoo!リサーチの結果では、引退を惜しむ声を上回って
やむなしという声が60%となっている。
ネット上という限定はあるものの、国民の気分をよく反映しているように
思われてならない。
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by capricciosam | 2010-02-05 23:58 | 時の移ろい | Comments(0)


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