ベルリン・フィル@デジタル・コンサート・ホール

バンクーバーオリンピックで、日本初のメダルが期待されていた
女子モーグルでしたが、それにしても上村選手はホント惜しかった。
4回目の参加で、順位はこれまで7位→6位→5位と着実に上がってきて、
今回は一気にメダル圏内か、と思われたのに、4位とはなぁ‥。

メダルはこうも遠いのか。4度目の五輪でも表彰台を逃した上村は、
「なぜだろう、というのはない。自分は全力を出したと思っている」
と結果を受け入れようとした。
(以上、時事通信より引用)

しかし、涙を流しながら気丈にインタビューに応える彼女を見ていたら、
「神様、このきざみっぷりは、彼女にはちょいと過酷ですよ。」
と、神様にひとこと言ってやりたくなった。

ところで、上村選手の記念すべき1回目は1998年長野オリンピック。

開会式では、小澤征爾さんが混成オケを指揮して第九第四楽章を
演奏したのですが、合唱団が会場以外にも世界各地に分散して
長野での演奏に合わせて同時に歌う、という形式だったと思います。
当時としては、中継での時間のズレをあまり感じさせることなく
無事終えたように記憶しています。
何しろインターネットも当時はナローバンドが主流で、
普及もいまいちだったように記憶していますから、
世界同時中継なんてのはテレビぐらいのもんで、
インターネットなんてまだまだ先の話だろう、という程度の認識でした。

あれから12年ですか。
「そうか、10年余りもありゃ、ここまで到達できるんだなぁ‥」
実は、今夜19時からベルリンで開演したベルリン・フィルの定期演奏会を
自宅のパソコンで同時中継されたストリーミングで楽しんでいました。
ベルリン・フィルが世界初の試みとして定期演奏会をネットで有料で
公開するというものです。耳にされた方もいらっしゃるでしょうが、
スポンサーのドイツ銀行が今夜の放送に限って無料視聴を行ったので、
応募しての初の体験でした。
c0007388_2133136.jpg

自宅の環境としては光なのですが、受信状態はMedium Bandwidthでも
画面がひっかかるところはあまりなく、画質も鮮明で満足できるレベルでした。
音質もPC用スピーカーで聴く分には十分。
これは録音技術もさることながら、ベルリン・フィルの「力」のなせる
ところが大のようにも思いました。
なにしろ、2曲目がシベリウスの交響曲第4番という、雲が厚くたれこめたような
内省的な曲故、演奏が演奏なら聴き続けることは苦痛にでもなりかねません。
しかし、第三楽章の瞑想的雰囲気なんて、絶品でした。

20分の休憩の間は、ネットならではなのでしょうが、
内田光子さんがお一人で英語で熱く語っていらっしゃいました。
(聞き取れたのは単語程度で、しかも断片的。はぁ~)
その後ラトルと二人で登場して、2/20演奏会の収益金は
ハイチ被災者の救援金に充てられることを日本語でおっしゃっていました。
(この辺のチャリティーの意識の高さというのは日本も見習いたい)

3曲目は内田さんをソリストとしたベートーヴェンの「皇帝」
堂々たるピアノに煽られたかのように、オケも熱演。
もう、圧巻でしたね。
会場もスタンディングしていらっしゃる方がかなり見えましたが、
オケがハケてからも拍手は鳴りやまず、ラトルと内田さんが
揃って登壇して拍手に応えていました。

1曲目はちょっと編成の変わった曲。
弦楽器のヴァイオリンはなく、替わりにギター1本のみ。
ギターが単調な主題を繰り返し、他の楽器が時々炸裂する。
おもしろいのかもしれませんが、曲への共感は感じませんでした。

体験してみると、画質も鮮明で、ストリーミングの中断もほとんど感じないので、
PC用モニターで音質も満足できるなら、コストパフォーマンスを考えても
なかなか良いかな、というのが感想です。
(私は、いわゆるオーディオマニアではありません)

こんなこと言うと、「日本のオケでも‥」という感想に結びつきそうですが、
軽々に主張するつもりはありません。
世界中にファンのいるオケならではの先駆的取り組みで、
ファン人口の限られるオケでは、これをやったがために
演奏会に足を運ぶ人が減って、減収になってはという懸念もあります。

ところで、メジャーレーベルのCD発売意欲が減退していく中で、
世界の有名オケがライブ演奏を自主レーベルCDで販売して
活路を見いだそうとしています。
一方で音楽をダウンロードで入手する比率が高まるという傾向では、
CDとて普及手段としては今や過去のモノになりつつあるのかもしれません。
意外や意外、うん年後には、このデジタル・コンサートのような取り組みの方が
主流となっているのかもしれません。
そうすれば、ネツト環境が整えば、低廉な料金で世界中どこででも
ライブを居ながらにして味わえるのですから、画期的なことである
ことは間違いありません。
つまり、世界のどこにでもコンサート・ホールがあるのと同じですから、
ベルリン・フィルHPにあった下の写真は、案外、オケの将来の目指すべき姿を
指し示しているのかもしれません。
c0007388_23305393.jpg

[PR]
by capricciosam | 2010-02-14 23:31 | 音楽 | Comments(0)


<< 2月初めての散歩 さようなら玉置宏さん >>