■ 「すごいこと」
合唱指揮者の関屋晋さんが亡くなられた。 惜しくも実演には接したことはないのだが、あるCDとの出会い が、お名前を知るきっかけだった。 小澤征爾氏がベルリン・フィルの定期演奏会で指揮した時に、 関屋氏の率いる合唱団(なんと、アマチュア!)が参加して 大成功を納めたのだが、そのとき実演し、録音したCDが オルフの「カルミナ・ブラーナ」で、私としても初のオルフ体験 だったが、これは大いにうけた。 出だしの「おお、フォルトナ」のノリの良さ。 ロックコンサートにも使われるというのが、よくわかる。 なんでも、このコンサートはベルリン・フィルにもうけたらしく、 「いつでも戻って来て、ベルリンで演奏会をしてください。 うちの定期でやります。」というくらい歓迎されたらしい。 なんと画期的なことか! これが1988年のこと。 それから10年後に関屋氏は「コーラスは楽しい」(岩波新書) という、氏の人生そのものズバリのような本をだされた。 その第6章には「ベルリンでカルミナ・ブラーナを歌う」として、 当時の様子が描かれている。まさしく、興奮と感激の連続だった ようで、氏と合唱団員にとっても忘れられない一時となったことが わかる。 本文中でも触れられているが、翌年もジルヴェスター・コンサート によばれてベルリンを再訪しているのだが、一回目はベルリンの 壁があったのに、翌年いったらもう壁に穴があいていたそうです。 歴史的にも大きなターニング・ポイントのあたりでした。 関屋氏は本の中でこうも書かれています。 「音楽に限らず、日本の文化のあり方の問題点と思うのは、 ごく限られた専門家というか、エリートをつくるのに熱心で、 広がりについて無関心だということです。広がりがなくては、 頂点の高さも本物ではない。」 「合唱の楽しみ方は人それぞれ、いろいろなかたちがあるのです」 いまさらながらですが、私も肩肘張らずに楽しんでみたいと考え ます、それが少しでも「広がり」につながると信じてですが。
by capricciosam
| 2005-04-11 22:23
| 音楽
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