赤塚不二夫展@大丸札幌店2010

この暮れの押し詰まった時に、なんともユニークな企画展が
開催されていたので、買物のお供ついでに覗いてきました。
企画展はギャグ漫画で一時代を築いた赤塚不二夫さんに関するものです。
(先日からちょっと旧い話ばかりで恐縮です。)
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展示の中心はトキワ荘時代含む初期の頃からの原画。
思わず読んでしまったために、少々時間もかかりましたが、
なにしろひとり笑ってしまうことが多々あり、
挙動不審者と間違われないか、と冷や冷やものでした。
しかし、会場で鑑賞している他の人も似たような反応の人も
いない訳ではなかったので、小生の笑いもまあ素直な反応なんだな、
と自分を納得させていました。
でも、今読んでも実際面白いんだから凄いものです。

ところで、認識を新たにしたことが原画の線や色使いの丁寧なこと。
生前の破天荒な言動やエピソードから、なんとなく
作品のタッチもラフなものだろう、と勝手なイメージを抱いていたことが
恥ずかしくなるような見事な仕上げで、一点一画に込めた赤塚さんやスタッフの
仕事ぶりに感動してしまいました。
この辺りに気づきだしてから、襟を正して見入ることになりました。

まあ、「おそ松くん」から親しんだ世代としては、懐かしさが主体の
軽い気持ちだったことは否めませんが、改めて赤塚さんの開拓された
ギャグ漫画が単なるナンセンス(死語?)なだけでない、実にシュールな世界にも
踏み込んでいたのだなぁ、と感心してしまいました。
特に、ナンセンス度が高い漫画としては「天才バカボン」が有名ですが、
確かに、一歩間違えば「悪ふざけ」と糾弾されそうな実験的手法も試している
ことには驚きました。
まあ、ある程度のわがままが通用する立場に立ったからこそできた、
という側面も確かにあるのでしょうが‥

まあ、そんな小理屈を言わなくても楽しめることは間違ありません。
最後の展示スペースでは多くの漫画主人公だけでなく、いろんな分野の有名人が
イヤミの「シェー」をやっている写真がパネル展示されていました。
ホント、私もよくマネしましたが、改めて世間に与えた影響の大きさを
伺わせるなぁ、と関心しました。
そして、思わず唸ったのが、出口のところに書かれてあった次の言葉。

「私は2008年8月をもって、赤塚不二夫から不二院釋漫雄
(ふにいんしゃくまんゆう)に改名するのだ、ニャロメ」

展示を観ていくと、赤塚さんは生前一度だけ改名されていたそうです。
それで、これは二度目でもあり、ラストの改名であることが
鑑賞者にはわかります。

改名も読み方によっては戒名。
しかも、自分の死も笑い飛ばしてしまうその着想の凄さ。
(最も、ご本人とは書いてなかったので、ひょっとしたらお嬢さん!?)
戒名をここまで笑いのめした例は知りません。傑作。

ところで、赤塚さんの告別式でのタモリの弔辞は、
淡々とした調子とは裏腹に内容が実に心のこもったもので、
当時、小生も胸打たれたものでした。

「私も、あなたの数多くの作品のひとつです。」

しかも、実は白紙の弔辞だったらしいとわかった時の驚きはなかったです。
まるで「勧進帳」です。
パフォーマーとしての面目躍如だと思いました。



ところで、「あと一日で新年なのだ。これでいいのだ。」
なんてことを言っちゃったりなんかして(と、広川太一郎さん風)、
以上で年内の更新を終えます。
今年も駄文におつきあいくださりありがとうございました。
皆さま、どうぞ良い年をお迎えください。

<追記12.31>
YouTubeのタモリの弔辞をアップできました。
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by capricciosam | 2010-12-30 23:47 | 展覧会 | Comments(0)


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