芝浜@落語CDムック・立川談志

人間なんてさぼりだしたら、いくらでもさぼれるもんでね。
あっしなんて、ブログの記事更新もさぼりまくりだよ。
なに、自慢にならない。そりゃそうだ。
それでも、おまんままの食い上げだけはご免だから、そりゃ、平日は働くよ、当たり前だろう。
でも、まっ昼間から酒をかっ喰らい、働くのをさぼりまくって、挙げ句に
かみさんから「鍋の蓋も開かないよ」と文句を言われてる魚屋が江戸時代にいたんだよ。
それがこの話「芝浜」の主人公なんだけどね、
こいつが、かみさんにやいのやいのと言われて、久しぶりに商売する雑魚場の芝浜にきたところ、
大金がはいった財布を拾っちまうんだ、これが。
「ラッキー」なんて、言ったかどうか知らないけれど、たいそう慌てたことは間違いないようだね。
なにしろ10両で死罪のところ、42両だったんだから、そりゃ、当然だぁ。
一体、何回死罪になるんだ。
そんなことより、慌てて家に戻ったことは言うまでもねぇ‥‥

なんて調子で書いてみましたが、談志師匠が語っているつもりです、ハイ。
実演には接したことはとうとうありませんから、こんな調子で語られたか定かではありませんが、
まぁ、TVでは随分お顔を拝見した落語家のお一人であることは間違いありません。
小生の頭の中に残っている師匠の語り口の断片をつなぎ合わせた架空の語り口調です。

以前の記事にも書いたことがありますが、落語に興味を抱いたのは「笑点」からですね。
(師匠が司会をやっていた頃も、なんとなく記憶には残っているような‥)
だから、近年実演に接するまでは、ひたすらTV中心で接していましたが、
師匠の場合は本来の芸をじっくり鑑賞したという記憶よりも、
タレント議員とか、落語協会脱会騒ぎなんてことの印象が強すぎて、
いまいち小生の中では評価が定まらないんですね。

しかし、ガンに罹病されたということは知っていましたから、
一度CDでもいいからじっくりその芸に触れてみたいものだ、と思っていました。
そんな折、昨年末から今年の春にかけて落語CDムックとして師匠の分が3回発行されました。
あまり、CDムックなんて類は手を出さないほうなんですが、
この時は無性に聴きたくなってコツコツ買いました。
その一回目に収録されていたのが人情噺の「芝浜」。
晩年の年末の独演会では必ずトリに演じた、師匠の十八番。
やはり、聴くならこれからです。

晩年は喉頭ガンの影響で声がかすれて聞き取りにくい。
どうも、あの発声のつらそうな姿は、見ているこちらもつらくなる。
やはり、もっと若い頃の立て板に水状態で落語も味わいたかったところ、
収録年が昭和57年とありますから、師匠46歳の滑舌のなめらかな頃です。
収録時間は36分。
晩年の芝浜は一時間近くだそうですから、磨き上げていく前の原型なのかも
しれませんが、談志落語を楽しむことは十分可能でした。
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「落語は人間の業の肯定である」立川談志
合掌。
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by capricciosam | 2011-11-26 23:30 | 時の移ろい | Comments(0)


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