東京クワルテット@PMF2012

演奏された曲は以下のとおり。

1 ハイドン 弦楽四重奏曲第74番ト短調「騎士」
2 ドビュッシー 弦楽四重奏曲ト短調
3 ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第9番ハ長調「ラズモフスキー第3番」
アンコール
1 ハイドン 弦楽四重奏曲「ヴェネツィアの競艇」より第3楽章
2 ヴェーベルン 弦楽四重奏曲のための緩徐楽章

毎年PMFでは数多くの演奏家会が開かれます。
仕事がある身としては、ある程度公演の数を選択せざるを得ない訳ですが、
弦楽四重奏コースが設置されていた2005年から2009年までの5年間は、
指導者の東京クワルテットの演奏会には極力足を運んで、
40年に垂んとする円熟の響きに耳を傾けるように心がけてきました。
その上、僥倖だったのは、室内楽コースが廃止された2010年以降も
指導陣に留まって演奏に接することができたことでしたが、
それも2013年6月に解散が決定したことで、最早叶わぬこととなりました。

そういう意味では、札幌でのラストコンサートの性格を帯びた演奏会。
一糸乱れぬアンサンブルの連続に奇跡的な時間となりました。
しかも、演奏が進むほど集中度は高まるようで、ドビュッシーでメインデッシュを
食した気分でしたが、休憩後のベートーヴェンはそれ以上の充実ぶりで
固唾を飲んで聴入りました。

鳴りやまぬ拍手に応えてのアンコール。
1曲目の前に池田さんがスピーチ。
「活動をはじめて42年と数ヶ月。来年の今頃には、もうここにはいなのかと
思うと、‥‥」残念ながら「‥‥」の部分は聞き取れませんでした。
なんとおっしゃったのでしょうか。

2曲目も同じく池田さんが解説。
ヴェーベルンが19歳に作曲した恋する気持ちの込められた作品とのことでしたが、
小生には過ぎ去った過去の名残を惜しむかの如く、慈しむような気持ちが
感じられてしかたありませんでした。
まるで、東京クワルテットの皆さんの「さよなら」の気持ちが込められているようでした。

空席の目立つ会場でしたが、立ち上がって拍手される方がとても多かった。
きっと、感動と感謝と名残惜しさがそうさせるのではないかと思いますが、
だとしたら、小生も同様です。
そんな気分の一端を代弁してくれたような文章がありましたので、
最後に引用させていただきます。
会場で配布されたパンフレットに掲載されていたものです。

「いまこの4人で最終章に辿りついた東京クワルテットが、札幌での最後の夏に、
弦楽四重奏の名作で語る真摯な音楽への言葉や感情は、過ぎていく音楽の
美しい喜びやいっときの愉楽を超えて、この先への輝かしい果実を人々の
記憶のうちに育てることになるのだろう。」
(以上、青澤隆明氏「この夏の光のなかで」より引用)
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by capricciosam | 2012-07-13 23:44 | 音楽 | Comments(0)


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