PMF-GALAコンサート@PMF2012

PMF始まって以来の初GALA(「お祭り」という意味らしい)。
Kitaraも緑色と金色を基調に入り口から装飾され、ホワイエ、ステージともに
華やぎを感じさせ、組織委員会側もドレスアップして迎えている。
国際教育音楽「祭」というくらいだから、このくらいの演出はあっても不思議じゃないか。
そう言えば、客席もドレスアップした女性が目立った。
一方男性は、連日続く猛暑のためか小生含めクールビズや軽装が多かった。
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さて、そんな初めてのGALAは2部構成。
第1部はソプラノの天羽明恵さんが司会進行を務め、
1 デュカス:「ラ・ベリ」のファンファーレでスタート。
ホワイエ・コンサートでも披露していたが、なかなか良いアンサンブル。
続いて2曲。
2 ヴィドール:オルガン交響曲第5番作品42-1からトッカータ
3 ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ第5番アリア
2は久しぶりに聴くパイプオルガンによるソロ。
響きには圧倒されるが、作品自体がやや単調。
3は天羽さんのソロが素敵。 
4 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番ハ長調「ワルトシュタイン」から第1楽章
児玉麻里さんのソロで。
ベートーヴェンがピアノ・ソナタで様式を転換した作品として知られるが、
天羽さんじゃないが、残りも聴きたくなった。
5 J・シュトラウスⅡ(シェーンベルク編):皇帝円舞曲
シェーンベルクと聞いて、ちょっと身構えてしまったが、
作品本来の骨格を活かしてあり、普通の室内楽として楽しめた。
6 グリーグ:組曲「ホルベアの時代」から前奏曲
7 チャイコフスキー:弦楽セレナードハ長調作品48から第1楽章
ファカルティのお一人のダニエル・マツカワさんが指揮して2曲続ける。
マツカワさんの指揮は2009年のポストリュードコンサート以来だが、
指揮ぶりは見違えるほどうまくなっていた。でも、曲の持つ"凄味"までは感じられない。

曲の間、ステージのセッティングが変わるため天羽さんがお話でつなぎ、
さらには中国公演にからめて北京と瀋陽出身のPMF生や札幌出身のPMF生にインタビュー。
札幌出身の方はファゴットで、現在はベルリン・フィルのアカデミーに在籍されているとのこと。
札響のオーボエに影響されて中学の吹奏楽部でオーボエを志望したら、
先生にファゴットにまわされたという話には笑いが、また週1回のレッスンの他、
月1~2回はベルリン・フィルの演奏会に参加している、というエピソードには、
会場から期せずして感嘆の声が(笑)。

最後に、PMFオーケストラが登場して当初第2部で予定していた「PMF賛歌」を
会場のお客も立ち上がって合唱する。
ホルストの「惑星」から「木星」に歌詞をつけて歌う、という即席平原綾香状態なんですが
PMFにふさわしい歌詞も相まって気持ち良く歌うことができました。
これから毎年のPMFでは定番となるのかな。

以上で第1部が終了。
この段階で第2部の開演予定時間をオーバー。

第2部はPMFオーケストラ演奏会。
演奏されたのは次の2曲。

1 ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲イ短調作品102
2 R・シュトラウス:アルプス交響曲作品64

1はソリストのファカルティを除けばPMF生のみで、2は首席にファカルティが参加という
プログラムAと同様のスタイル。Kitara最後の仕上げ、とばかりに注目です。

1はソロとオケが溶け合った時に発する曲の持つ躍動感や多彩さには乏しく、
お二人のソロとルイジさんの指揮ぶりも相まって手堅い演奏に終始する。
実は1を終えてやや拍子抜けの感があったのですが、2では思わず身を乗り出す出来に。

2は交響曲とは言うものの明確な楽章の区別がなく、続けて演奏されるため
単一の楽章構成のようで、その上標題も有することから交響詩的な要素が強い作品。
また、カウベルはじめ見慣れぬ打楽器も登場して、規模も大がかり。
5人の打楽器奏者が両手にカウベルを持って鳴らしていたが、
これなんかCDだけではわかりません。
この曲はトゥーランガリラ交響曲同様、実演が楽しめる度合いが強いですね。
音だけ聴いていても、まるで映画でも観ているかのような気分に浸るのですが、
これとて音で景色を描写するという試みも肝心のサウンドが良くなければ、
作品の持つ仕掛けは楽しめない訳で、その点ルイジさんの冷静かつ熱情溢れる指揮は
見事にオケからその響きを引き出すことに成功していたと思う。
やはり、プロ未満の即席オケが手兵オケの如く大変身している様には、
ほぼ一ヶ月札幌に滞在して指導するという芸術監督本来の役割を果たしてくれた成果なのでしょう。
3年間の任期のラストを飾るにふさわしい仕上り具合だと思われました。
来年はルイジさんが登場することはないのでしょうが、
開催期間中は滞在して指導するという芸術監督が選任されることを期待したい。

初のGALAで、かつ長時間なので少々身構えていましたが、
終えて見ると疲れもなく十分楽しめました。
賛歌も作った以上、次年度も定番化していくのでしょうか。

<蛇足>
今回TV中継はなく、録音だけのようです。
昨年もKitaraのラストコンサートにはありませんでしたから2年続けてですね。
また、会場の各ブロックに空席が目立ち、入りとしては7~8割というところでしょうか。
GALAという初の試みとルイジさんのラストイヤーだけに
満席なら最高の形だったと思われるだけに残念でした。
ちなみに今年のPMFでは、でかけた演奏会全てで空席が目立ちました。
アーティストの力を引き出す上で、会場が満席に近いことは大事なのではないでしょうか。
景気の低迷が原因だ、と簡単に片づけずにPMF組織委員会は、
チケット販売にもっと真剣に向き合っていくことを期待したいですね。
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by capricciosam | 2012-07-28 23:17 | 音楽 | Comments(0)


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