NHK交響楽団(以下「N響」という。)は日本を代表するオケであり、TVではおなじみ。
デュトワ時代のPMFや数年おきに巡演してきてくれるのですが、これまでは機会を逃していました。 でも、今回は指揮者がKitaraをホームとする尾高さん、その上演奏曲もなにやら興味深い。 と言うわけでN響演奏会に20年以上ぶりで足を運びました。 当夜演奏された曲は以下の通りです。 1 武満徹 ハウ・スロー・ザ・ウィンド 2 チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 3 チャイコフスキー 交響曲第5番ホ短調 1は昨年の尾高さん指揮による札響欧州公演や帰国記念演奏会で取り上げられています。 配られた資料の解説によれば、女性詩人の言葉にインスパイアされて作られたとのこと。 時の流れが遅く感じられる一瞬を、限られた音数や音色で反復提示していくことで、 聴く者の感性も次第に研ぎ澄まされていくという。 はじめて耳にしましたが、小編成による武満タッチあふれる一曲です。 N響も集中度の高い演奏でしたが、残念なのは会場のせきがやや目立ったこと。 札響との演奏を聴いた方も多かったのでしょうが、N響と比べてどんな感想を持ったのでしょう。 2のソリストは小山実稚恵さん。 小山さんの実演は、4年前にシンフォニア・ヴァルソヴィアとの協演で聴いて以来です。 あの時はショパンを繊細なタッチで演奏されていましたが、 今回は曲が曲だけに印象が一転してしまいました。 第1楽章を小山さんは力強いタッチで弾き進むのに比べ、N響はやや乗り切らない もどかしさが感じられました。でも第二楽章で呼吸を整えた後の第三楽章が凄かった。 もともとが力強い展開でグッと盛り上がる楽章なのですが、 バリバリ弾く小山さんに煽られたかのように、ステージ一体となった大熱演でした。 超快速でも楽々と演奏しているように感じられたN響の余裕はさすがというものです。 小山さんにオケからも盛大な拍手が送られていました。 3は5年前に札響定期で尾高さん指揮で、また昨年は佐渡裕さんとベルリン・ドイツ交響楽団で 聴いています。札響定期の時も弦楽器にエキストラの方が入った大編成でしたが、 今回もこの曲では弦楽器が一気に増え、大編成となりました。 2曲目でN響のギアもさらに入ったようで、この曲でも一糸乱れぬ大熱演でした。 ホルンのソロもうまかったのですが、各パート全体に不安定さを感じないのは 日本を代表するオケだけのことはあります。 2曲目、3曲目ともほぼ満席の会場からは盛んにブラボーも飛び、拍手も熱かったのですが、 アンコールはなし。最後は尾高さんの、いつもの「おやすみの時間です」というゼスチャーで お開きとなりました。チケットは完売のようで、当日券はなし。 今回の巡演は8/23旭川、8/24札幌、8/25帯広、8/26釧路です。
by capricciosam
| 2012-08-24 23:46
| 音楽
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