札幌交響楽団第553回定期演奏会@Kitara2012

演奏されたのは次の2曲。

1 ベルリオーズ ヴィオラ独奏付き交響曲「イタリアのハロルド」
2 R・シュトラウス 交響的幻想曲「イタリアより」

会場で配布された資料によると、過去の札響の演奏会でも両曲が取り上げられたのは
2回だけ。しかも、1は2回目が稚内だし、2は第4楽章のみということだから、札幌では
実質的に各1回と言えよう。しかも、定期会場が厚生年金会館当時の20年以上前。
定期会員でも耳にしたことがない方も多かったのではなかろうか。
その上、両曲ともCDでもあまり耳にする機会がないだろう(2は小生も初耳)から、
今回は極めて貴重な機会となった。

この凝ったプログラミングの2曲に共通するのは「イタリア」と「作品番号16」、
それに「4楽章構成」なので交響曲的性格を有することか。
しかし、1はハロルドという主人公がイタリアの山岳地帯を放浪したあげく
山賊の狂乱の中で死ぬというストーリー性を有するのに対して、
2は作曲者自身のイタリア旅行での印象のスケッチを元にしたというだけに
発想自体は根本的に異なるようだ。

1は「ヴィオラ独奏付き」とあるようにヴィオラが独奏楽器として登場するものの
協奏曲のように終始活躍する訳ではない。
むしろ、主人公ハロルドの物思いにふける様子を表現するために
低い響きを有するヴィオラが独奏するといった風情で、全曲でもところどころ
独奏して現れるものの、第4楽章ではほとんどオケの演奏の中で埋没してしまう。
まさしく、「山賊の狂乱の中で死ぬ」訳だから、なるほど「独奏付き」でぴったりかな。
独奏は札響首席奏者の廣狩さん。渋い響きで弾き切っていた。

2は各楽章にそれぞれ標題を有し、順に「カンパーニャにて」「ローマの廃墟にて」
「ソレントの海岸にて」「ナポリ人の生活」とある。
作曲者自身がイタリアで南欧の明るく、自由な空気を満喫したかのような雰囲気に
満ちている曲調だが、びっくりしたのは第4楽章の「ナポリ人の生活」。
作曲当時大流行していたらしい「フニクラ・フニクラ」のメロディが冒頭から現れる。
現代では古典の作品にも、当時の時代の空気を取り込んで作られていたことがわかる。

札響もまとまりの良い演奏で近年の好調ぶりを示し楽しめたが、
やや慎重な雰囲気も時々感じられた。そのままだと、演奏する楽しさも伝わりきらない
恐れもあったのだろうが、それを打ち破ったのはグイグイ引っ張る指揮者の功績と言えよう。
広上淳一さんの定期は第498回以来だが、今回も「広上ワールド」を堪能させて
いただきました。
次年度定期には残念ながら登場予定はないようですが、来演していただきたい
指揮者のお一人です。
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by capricciosam | 2012-10-12 23:58 | 音楽 | Comments(0)


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