さようなら、中村勘三郎さん

今朝起き出して、まだぼんやりとしている状態でTVをながめていたら、
速報が飛び込んできた。何事!?と思ったら、ベラボーな訃報だった。

「古典から新作まで幅広く活躍し、人気を集めた歌舞伎俳優の中村勘三郎
(本名波野哲明=なみの・のりあき)さんが5日午前2時33分、
急性呼吸窮迫症候群(ARDS)のため東京都文京区の病院で死去した。57歳だった。」
(以上、時事通信12/5付けより引用)

一気に醒めたのは言うまでもない。
ご遺族の方が報道各社に宛てた文章が写し出されていたのですが、
そこには「癌晴って」の見慣れぬ文字が。誤字かと思ったのですが、

「妻の波野好江さん、息子の勘九郎、七之助の連名で出された死去を知らせる
「皆様へ」と題した文章に、闘病生活を「癌晴って参りました」というくだりがある。
一見すると誤字に思えてしまうが、これは勘三郎さんの造語と言われる。
「癌を晴らす」「癌がなくなって晴れ晴れ」するために“頑張る”といった意味のようだ。」
(東スポ12/5付けより引用)

そうだったんですね。
食道ガンの手術は成功したというのに、肺炎という伏兵にやられるとはなぁ…。

ここ数年、入退院を繰り返していたようですが、よもや不帰の人となろうとは想定外です。
個人的には、2008年に浅草寺境内の平成中村座で実演を観たっきりです。
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法界坊。あの破戒僧をもう一度観たいと思っていましたが、残念です。
当意即妙なサービス精神に溢れながらも真っ当な芸を演じきるという
その姿にいっぺんにファンとなりました。
実にうまい役者さんでしたね。
しかし、芸道の長さを考えると、57歳なんて、まだまだ道半ば。
60代、70代と年を経て円熟していくであろう勘三郎丈の芸を観ること能わず、
となったことは、歌舞伎界のためにもつくづく惜しいと思います。

中村勘三郎さんのご冥福を心からお祈りいたします。
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by capricciosam | 2012-12-05 23:53 | 時の移ろい | Comments(2)
Commented at 2012-12-07 07:07 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by capricciosam at 2012-12-08 11:23
>鍵コメさん、コメントありがとうございます。
>2005年の襲名披露
確かにこれ以来、わずか数年の間のこととはいえ、
惜しい方が次々亡くなられていますね。

>シリアスな役こそ真骨頂
正道を歩みつつ、さらにラジカルさを併せ持つ側面が
希有な方だと感じていましたが、
この点はおっしやるとおりだと思います。

最後にご覧になった塩谷判官と高師直の丁々発止に
渡り合った様は、さぞかし名場面としていつまでも
心の中にあり続けることでしょうね。
まさしく、「宝物」ですね。


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