札響の第九@Kitara2012

振り返ってみると、「第九」は交響曲の中では一番実演に接しています。
と言うのは、第九を歌うアマチュア合唱団に参加していたためです。
しかし、聴く位置の違いなのでしょうか、合唱団の一員として聴く場合と
比べて、客席で聴くというのはやはり、感覚的には新鮮な体験です。
また、CDを除けば、日本人指揮者による日本のオケ(大半は札響)による
第九演奏が小生の中でのスタンダードとして染みついている、と言っても
過言ではありません。

それから、第九の有料演奏会は札響が経営破綻に直面していた2002年以来。
かつ、外国人指揮者としては、1988年のバイエルン国立管弦楽団を指揮した
サヴァリッシュ以来。(もっとも、あの時は厚生年金会館の座席の関係か、
音がすっかりデッドで、独唱と合唱が素晴らしかったぐらいの印象しか
残っていないのは、返す返すも残念。)と、第九については牽強付会的に
あれこれ書いてしまうのですが、今回は、先の名曲シリーズで古典にも
並々ならぬ力を示したエリシュカさんが第九を振る、ということなので、
期待して出かけた演奏会でした。

エリシュカさんの指揮は、第2楽章まではほぼ通常通りのテンポなのですが、
聞こえてくる音楽の柄の大きいこと。かつ普段埋もれてしまうような
内声的響きがところどころ明瞭に立ち上がってきます。
特に、第3楽章での第2ヴァイオリンのピチカートでの演奏は、これまで
こんなに明瞭に聞こえたことはありませんでした。
第4楽章はテンポをやや落として、じっくり歌い上げていく感じで、
独唱、合唱のバランスも良く、充実した響きだったと思います。
やはり、合唱団をステージ上に配置すると、演奏と一体化して聞こえてきます。
特に、合唱の響きは良かったですね。札響合唱団だけではないようですが、
こんな充実した合唱は久しぶりでした。刺激されます。
発声がつらくなって第九合唱もおやすみ中ですが、また歌いたくなってきました。

終わってみれば、これまで体験した演奏とはひと味違うな、という印象です。
とまどいに近いかもしれません。善し悪しというよりも、手垢を落としてみると
案外こういうものだよ、とでも言うのでしょうか。

2日目。管楽器でしまらない響きが散発したのは惜しい。
空席はあまり目立たず、9割程度の入りか。
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by capricciosam | 2012-12-09 23:34 | 音楽 | Comments(0)


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