エサ=ペッカ・サロネン&フィルハーモニア管弦楽団@Kitara2013

当日演奏された曲は下記のとおり。

1 ベートーヴェン 劇付随音楽「シュテファン王」序曲
2 ベートーヴェン 交響曲第7番イ長調
3 ストラヴィンスキー バレエ音楽「春の祭典」

以前、下野竜也さん指揮の札響定期演奏会のプレトークで、下野さんが当日の
プログラムの構成について説明されて、プログラミングの職業上の秘密めいた部分
の一端を知ったが、今回の演奏会のプログラミングについては、
入場と同時に配布されたパンフに次のように記載されていて明らかだった。

「本日は、1812年にハンガリーの新ドイツ劇場のこけら落としで演奏された
ベートーヴェン「シュテファン王」序曲、1813年初演の「交響曲第7番」、
1913年に初演されたストラヴィンスキー「春の祭典」を演奏する。
これは、エサ=ペッカ・サロネンが、2012年から13年3月までの
Kitara15周年を祝い、特別にセレクトしたプログラムである。」

と、言うわけで共通項は200年前、100年前の「初演」ということらしい。

さて、肝心の演奏だが、1は初耳のせいか新鮮でした。
ただベートーヴェンの有名序曲に比べると、あまり心に留まることなく
サラサラ流れていった感じだった。
この腕慣らし程度の段階でもフィルハーモニア管の実力は十分感じる。

2では特に1楽章でサロネンの指揮が走り過ぎるのか、オケがついていけないのか、
指揮者の腕が止まっても、オケのどこかで音が続くことが度々。
演奏中も「どっちなんだろうか」、と気が散ってしようがなかったが、
楽章が進むとこの辺りも徐々に解消されてきて、安心して演奏に耳を傾けることができた。
第3楽章では指揮を終えても腕を下ろさず、横に折りたたんだ姿勢のまま、
じっとオケをみてオケの準備が整うのを待つこと数秒。
緊張を持続したまま、アタッカ同然で第4楽章へ。
これが始まると凄い快速。この速さはいままで聴いたことがないくらいの「超」のつく快速。
まるでスポーツカー並なのだが、こういうのは演奏を終えた後の爽快感も一入。
望外の喜び。案の定、早くもブラボーが飛び出した。
それにしても、オケは一糸乱れず弾き切るんだから、ポテンシャルの高さが窺われる。

休憩中はイスに座って持ち込んだ本を読んでいて、ステージを見ていなかった。
そろそろ休憩も終わりか、とふとステージに目をやって驚いた。
ステージ一杯にオケが展開している。
数えはしなかったが100人を越えているようだ。

3はサロネンの得意とするレパトリーのストラヴィンスキー、しかも、「春の祭典」。
10年以上前にデュトワの指揮したPMFオーケストラの「春の祭典」以来の大迫力。
今夜一番の注目だった。ここでもサロネンの指揮は曖昧さなど微塵も感じさせない
指揮ぶりで、ぐいぐいオケを引っ張っていき、音のパレットから
多彩な音を紡ぎ出すことに成功していた。
その上、オケがうまいから、ライブの傷なんて微塵も感じさせない。言うことなし。
終わると会場のあちこちから「ブラボー」が飛び出し、スタンディングも。
会場の拍手も熱いものだったが、アンコールはなし。
されど、オケがステージを去ろうとしても鳴りやまぬ拍手に応えて
サロネンのみ一人登場して拍手に応えてくれた。

と、言うわけでアンコールもなかったので、9時に数分残してKitaraを後にしたが、
満足度はとても高かった。にしても、空席が目立ち6~7割の入りか。
近年、国外オケと指揮者のより良い組み合わせでの来札数が減っている中では
聞き逃すにはもったいなかった。
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<追記>
同じくパンフからの引用。

「サロネンは2000年にKitaraを訪れたときの印象を「温かな響きと、音の明瞭さの
バランスが良くとれている。これは世界的にも非常ににまれな成功例だ。これにより
作曲家の意図や、楽曲の構造がよりクリアに響く」と述べている。

Kitaraが開館してからその優れたホールの音響に非常に多くの視察があったようで、
サロネンも当時音楽監督をしていたロサンゼルス・フィルの一行の一人として
視察に来ていたようです。
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by capricciosam | 2013-02-04 23:35 | 音楽 | Comments(0)


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