知らないほうが問題~加藤コミッショナーの発言をめぐって

交流戦も残り少なくなりました。
スタート時から出遅れたファイターズも交流戦をきっかけに浮上するはず
だったのですが、ほぼ収支トントン状態では借金がなかなか減りません。
しかし、試合を壊していた投手陣のうち、先発が立ち直りつつあるので、
粘り強く借金を返して浮上していきたいものです。
ガンバレ!ファイターズ!!

さて、熱戦が繰り広げられている時に飛び出したのが統一球問題。
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「プロ野球で使われている統一球が、今季からやや飛びやすくなるように
仕様が調整されていたことが11日、分かった。日本野球機構(NPB)の
加藤良三コミッショナーから一任を受けたNPB事務局が製造するミズノ社に
調整を指示したが、各球団と選手会には説明せず、
ミズノ社に「混乱しないよう、調整したことは公表しないでほしい」と要請したという。
NPBが、仙台市で開かれた労組日本プロ野球選手会との討議で明らかにした。」
(以上、朝日6/11より引用)

これを受けてNPB側が会見を行なったが、加藤コミッショナーの発言は

「私が知ったのは昨日(11日)が初めて」と自らの関与を否定し、
「知っていたら公表した。公表して悪いことは何もなかった」と続けた。」(略)
「自らの進退問題についても「私は不祥事だとは思っていない」と、
時に怒気といら立ちを込めた口調で繰り返した。」
(以上、スポニチ6/13より引用)

というようなものだったらしい。

仮に事務局長が勝手にやっていたとしたも、「知らなかった」というのは、
トップとして機能していたのか、統括し管理できていたのか、という疑念を抱かせる。
コミッショナーは単なるお飾りなのか!?
統一球には自分の名前まで入っているんだよ。
しかも、統一球導入を主導したのはあなたではないか。
横道に逸れるが、WBCでも投手陣はなじめずに苦労していたらしいが、
世界の舞台でこまらないようにするなら、もっと仕様を考えるべきだったのではないか。
中途半端な統一球では意味がないはずだ。

さらに問題なのは「不祥事ではない」とする点だ。
選手がオフシーズンに契約する上ではいろいろなデータで評価されるらしいが、
打者なら「打った」、投手なら「打たれた」も評価点としては大きいのではないか。
数mの跳ぶ、跳ばないの差でホームランかフライでは結果が大きく異なる。
年俸が上下するだけならまだしも、現役引退に至る決断を迫られる場合もあるだろう。
「跳ぶ」「跳ばない」は選手生命にも多大な影響を与えかねない重大事なのだ、
という素人のファンでも思い至る点が、組織のトップとして認識されていないのではないか。
そんな人がトップに君臨している価はあるのか。

ダルビッシュが

「知らない事はないでしょう。てか知らない方が問題でしょ」

と、ツイートしているが、まったくそのとおりだと思う。

加藤コミッショナーは、過去を振り返っても、東日本大震災時のプロ野球開幕を巡る混乱や
WBCにおける分配金を巡る日本側不利益の是正に対しても、イニシアチブをとったとは思えず、
コミッショナーとしての資質に欠けるのではないか、と素人から見ても疑問を抱いていた。
この問題は今後どう展開するのかわからないが、組織の重大な瑕疵を引き起こしたという
前代未聞の不祥事に対してトップとして責任をとり、その職を辞するのが妥当ではないかと思う。

<追記6.15>
この問題がどういう結末に落ち着くのか。
報道された動きを経過として追記していきます。

6.13 12球団代表者会議において第三者委員会の設置を決定
     ①統一球②情報開示③NPBのガバナンス(統治)の3点について調査

6.14 12球団代表者会議において、統一球が導入された2011年と12年で7度検査があり
     加藤コミッショナーは検査結果が出るたびに、報告を受けていたことが判明


<追記6.25>
6.25  NPBは第三者委員会のメンバーを発表
     委員長 那須 弘平(元最高裁判事)
     委  員 佐々木善三(元京都地検検事正)
     委  員 米 正剛(元一橋大学大学院国際企業戦略研究科講師)  
     特別アドバイザー 桑田真澄(野球評論家)

※「何が問題で、野球界がどうすればいいか、他の3名の方と調査していきたい。
  統一球自体は素晴らしいと思っている。こういうことになって心外だ。ファンを
  がっかりさせたのは野球界にとってピンチ。ピンチをチャンスに変えたい」
  (桑田さんのコメント。以上、6/25デイリースポーツより引用)


<追記6.27>
6.27  労組プロ野球選手会はセ・パ両リーグ理事長宛に要望書提出

※ 「これまでのコミッショナーのリーダーシップ欠如を指摘。今後はコミッショナーに
  ビジョンや責任感、中立性、ビジネスセンスなどを持った人物を登用できるような
  組織改革が必要だと指摘」(以上、朝日6/27より引用)


<追記6.29>
6.28 第三者委員会がNPB事務局で初会合
     報告書を9月末をめどに提出するよう努力することを確認


<追記7.6>
7.3  第三者委員会が9月19日のオーナー会議で最終報告を行なう見込み


<追記7.13>
7.10 問題発覚後初めての12球団オーナー会議が開かれる

※「加藤良三コミッショナー(71)は騒動を陳謝。しかし、辞任を要求する声はなく、
  第三者で組織された検証委員会もメンバーの選任あいさつだけで終わる」
  (以上、東スポ7/11より引用) 


<追記7.20>
7.19 労組プロ野球選手会(嶋基宏会長=楽天)は札幌市内で臨時大会を開いた

※「嶋会長は「選手生命に関わるボールの変更を知らせなかったのは大きな問題」とした上で、
  事実関係を「知らなかった」とする加藤コミッショナーの責任感の欠如を指摘。
 「不信任を選手全員で改めて確認した」と述べた。」
  (以上、時事7/19より引用)


9.19 加藤良三コミッショナーは12球団オーナー会議で辞任を表明。
    日本シリーズ開幕前の10月25日に退任を予定。

※「統一球問題でお騒がせし、ファン、関係者に迷惑をかけたことが大きな要因」
 ペナントレース佳境でもある。27日に行われる統一球問題を検証する第三者委の
 最終調査報告を待つことなく、なぜ今なのか。「第三者委には知っていることは
 誠実に申し上げた。フレッシュなスタートを切るには早い方がいい」と繰り返した。
(以上、スポーツ報知9/20)


<追記9.30>
第三者委員会が9.27報告書を日本野球機構に提出。
今回の報告書については概略次のようになされたようです。
後日、日本野球機構のHPに全文が掲載される予定です。

≪第三者委最終報告骨子≫
一、コミッショナーが知っていたと認定はできないが、疑いが完全に解消されたともいえない
一、仮にコミッショナーが変更の事実を知らなかったとしても、ごくわずかな注意を払えば、
   事実を知ることは容易で、混乱を招いた責任は免れない
一、業務執行の責任者として責任を果たせるように、コミッショナー制度の強化、充実を図る
ことが望ましい
  (以上、スポニチ9.28より引用)

加藤コミッショナーが知っていたか、という点はクロとは言えなかったものの、
職務上の注意不足と一連の混乱を招いた責任は免れないと指摘されていますから、
事前の辞任表明がなければ、コミッショナーとしての責任追及の声があがることは
想像に難くありません。そうすると、機先を制して炎上するのを防いだ
加藤コミッショナーの作戦勝ちとも言えるでしょう。
しかし、加藤良三氏がコミッショナーとしては指導力不足だったことは忘れられても、消えません。

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by capricciosam | 2013-06-14 06:44 | 時の移ろい | Comments(0)


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