PMFウィーン弦楽四重奏演奏会@Kitara2013

演奏された曲は以下のとおり。

1 ハイドン 弦楽四重奏曲第30番変ホ長調「冗談」
2 モーツァルト 弦楽四重曲奏第21番ニ長調「プロイセン王第1番」
3 モーツァルト ピアノ四重奏曲第1番ト短調
<休憩>
4 ショスタコーヴィチ 弦楽四重奏曲第15番変ホ短調
アンコール ハイドン 弦楽四重奏曲第37番ロ短調33-1より第4楽章プレスト

ヴァイオリン、ヴィオラはウィーン・フィル団員でチェロはPMF生OBでウィーンで
活躍中という今年のPMFウィーン。ほぼミニ・ウィーン・フィルと言って
よいのでしょう。
ウィーン・フィルメンバーによるアンサンブルは2007年2008年と2年続けて
聴いて以来だったので、そろそろ聴きたいものだなと思っていましたが、
昨年はウィーン・フィルからの参加メンバーがたった一人と
アンサンブルは無理な状況でした。
ところが、今年はコンマスのライナー・キュッヒルさんはじめ多数教授陣に
加わっているため、例え来年の来札がかなわなくても後悔しないようにと、
プログラム発表時から計画を立て、仕事を調整してなんとか休みをとって
駆けつけました。
今年のPMFでは私的期待度が一番高い演奏会だったとも言えます。

プログラムが古典派が3曲続き、最後に現代音楽で終わるという不思議な構成。
しかし、3は「当時の室内楽の概念からすると気楽な仮定音楽の域をはるかに
超える、精神的にも高度な内容が盛り込まれている」
(以上、配布された資料解説より引用)という点から、4への繋がりが生まれている
のではないか、と考えられます。

先ほど現代音楽と書きましたが、ショスタコーヴィチ(1906-1975)が死の前年に
作った4は1970年代ですから、まさしく現代において作られたと言う訳です。
全6楽章からなるのですが、全楽章とも「アダージョ」という奇妙なもの。
しかも、楽章間の切れ目なく、アタッカで演奏されていくという約35分の作品。

「謎めいたモノローグ的音楽」(以上、配布された資料解説より引用)

たしかに、健康に不安のあった晩年だからこそ、自らの最後を意識したかのように、
静かで暗いトーンが支配するのは、やはり自己の過去や内面と向き合っているため
なのでしょう。CDでは聴いて、作品の異様さとともに魅力はわかっていたつもり
だったのですが、それでも、今回のメンバーが演奏で訴える力は実に圧倒的でした。
演奏が終わってもフライングの拍手も起きず、会場が静まりかえったのが印象的。
どの程度の練習を重ねられたのかは知るよしもありませんが、
アンサンブルも決まり、この一曲が聴けただけでも大満足でした。

1はタイトルどおり冗談ぽく、第4楽章が終わるかと思えば、また繋がる感じで、
キュッヒルさんがご自分のパートを弾いた途端、会場に向き直られて笑って、
「これは冗談ですよ」という風にされていたのが印象的でした。
2はチェロを演奏する王に献呈されたということで、「チェロパートが充実している」
(以上、配布された資料解説より引用)というが、それ程の印象は受けなかった。
むしろ、全曲通じて言えることだろうが、第一ヴァイオリンのキュッヒルさんの音が
支配的で、この辺りの突出具合は、以前PMFで聴いた東京クァルテット
(ついに解散してしまいましたね!)のような常設クァルテットとの違いなのかな、と
思ってしまいました。
3ではピアノを担当された沢木良子さんがメンバーに伍して、実に達者な音を響かせて
いました。

やはり、弦楽四重奏は小ホールに向いてますね。ほぼ満席。
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by capricciosam | 2013-07-09 20:32 | 音楽 | Comments(0)


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