札幌交響楽団第568回定期演奏会@Kitara2014

演奏されたのは以下の曲。

1 ベルリオーズ 序曲「ローマの謝肉祭」
2 ヴォジーシェク 交響曲ニ長調
3 チャイコフスキー 交響曲第6番ニ短調「悲愴」

エリシュカさんが首席客演指揮者就任以来定期で取り上げたドヴォルジャークの
後期交響曲を昨年4月に終えて、小生が内心期待したのは他のスラブ系(ロシア系)。
しかし、昨年秋のブラームスが望外の収穫で、内心「独墺系でもいいか」なんて
ぐらついていたら、恒例の4月定期に持ってきたのがチャイコフスキー。
しかも、「悲愴」だなんて、いきなり直球勝負の趣きですよ、これは。

さて、その「悲愴」だが、冒頭の低弦を中心とした陰鬱な序奏から始まり
不安と感傷の入り交じった劇的な展開を見せる第1楽章を聴き終えただけでも
「来た甲斐があった!」という十分な気持ちにさせてくれました。
この「満足」な気持ちは最終楽章まで持続された訳ですが、これは御歳83歳とは
到底思えない統率力のあるメリハリの効いたエリシュカさんの指揮の賜物だと思ます。
もちろん、力演で応えた札響のみなさんもブラボーなのはもちろんです。
ただし、やや粗さが感じられたのは、2日目の疲れのせいでしょうか。

エリシュカさん指揮の演奏会では毎度思うのですが、普段埋もれてしまう楽器パートでも
はっとするくらい明瞭に聞こえてくる不思議さがあります。もちろん、自己主張が強すぎて
飛び出しているという訳ではなく、節度を持ってきちんと聴こえてくる、とでも言うのでしょうか。
それでいて、オケの音としてのブレンドの良き按配よ。
恐らく奇を衒ったことをしている訳ではないのでしょうから、これこそ王道。
だからこそ、手垢にまみれたいわゆる「名曲」が新鮮に響くということなのでしょう。

「悲愴」の実演は一昨年のファビオ・ルイージ指揮PMFオーケストラの演奏以来でした。
あの時も熱演で好印象が残ったのですが、指揮者がかなりオケをドライブしているな、
という印象が強く残りました。
しかし、エリシュカさんと札響では、指揮者とオケの共同作業だな、という印象なんですね。。
これは良好な関係があったればこそ、と勝手に推察しています。
来年度取り上げるとしたら、後期交響曲の残り2曲からなのかな。
すでに都響と演奏した5番でしょうか、4番でしょうか。どちらにしても、楽しみです。

2は札響初演の由。
初めて聴いたのですが、第2楽章に代表される親しみやすいメロディや音楽の推進力が
全編を貫くため、気分的には楽しい楽曲だと思ました。
ただし、良い意味でのとんがった所がないために、印象が平板になりがちな点が惜しい。
1は冒頭の弦楽器の響きで今日の演奏会の成功を確信、なんて言ったらオーバーか。

Pブロックで空席が目立ちましたが、9割程度の入りでしょうか。
ライブ録音しているようでした。せきがやや目立ちましたが、
フライングブラボーもなく(最終楽章も数秒の沈黙がありました)、素敵な聴衆でした。
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<追記>
コントラバスは首席が仙台フィルに移られたので、今回の首席は日本フィル首席の方が客演。
また、事務局長も退職されたので、前ホルン奏者の市川さんが就任されていました。
まっ、人事異動なんて春らしい話題ですね。
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by capricciosam | 2014-04-12 20:27 | 音楽 | Comments(0)


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