PMF-GALA@Kitara2014

3回目を迎えたGALA。
2部構成で盛りだくさんな内容です。

第1部
司会はおなじみ天羽明恵さん。思わず「ツェルビネッタ!」(笑)なんてね。
まず、PMFブラス・アンサンブルの演奏で。ブラスの曲としては有名らしい。

1 ディロレンツォ リトル・ロシアン・サーカス

明日のピクニックコンサート(以下、「ピクニック」と略す。)では「PMF POPS!」
として披露されるらしい。華々しく、かつ楽しいのはうってつけかも。
続いて、ダニエル・マツカワ指揮PMF弦楽アンサンブルに天羽さんが加わり

2 ラフマニノフ ヴォカリーズ

声楽なしでも演奏される小品ながら、ソプラノが加わると一層味わい深い作品。
天羽さんは先日の<ナクソス島のアリアドネ>の強烈な残像があるため、
見事な歌唱ながら、ほんの腕慣らし程度の印象にしか聞えないというもったいなさ。
2の演奏前にダニエル・マツカワさんがPMF生当時、隣り合ったアカデミー生と言語が
異なるため意思疎通に苦労したが、結局心で通じ合っていくという体験を話す。

続く3、4は明日のピクニックにはないGALAだけの演出。
小山実稚恵さんが登場し、ピアノ・ソロを披露。絶品。 

3 リスト 愛の夢第3番

そしてGALA初の試み朗読劇に。

4 宮沢賢治「セロ弾きゴーシュ」から  語り・チェロ・ピアノによる

・エルガー 愛のあいさつ
・ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」第5楽章から
・シューマン トロイメライ
・ポッパー 妖精の踊り

小山さんに加え、チェロはセルゲイ・アントノフ、朗読は名取裕子さん!!
朗読が始まる前にエルガーが演奏されたのち、名取さんが下手から登場。
名取さんの朗読に従って残り3曲が演奏された。名取さんは登場者の声色を替えて
聴かせてもらったが、さすが名調子。いいね。
ただ、名取さんのマイクが絶不調で断続的にノイズが入り興を削いだことは
いただけなかった。休憩時間にお詫びのアナウンスがあったが、
生ならではのアクシデント。入念な機材チェックをお願いしたい。
劇中ではゴーシュがヘタクソな演奏をすることになっているため、
「(あんな見事な演奏される)アントノフさんに対して、ヘタクソなんてね。」
と名取りさんが恐縮されていたのは微笑ましかった。
それから、朗読と音楽のバランスには改善の余地があったと思う。
せっかく3までに積み上がっていた音楽への高まりが、朗読時間が長すぎて
少し冷えてしまった。大物女優の起用だけに出番として朗読が長くなったのだろうが、
あくまでも音楽主体となると、あのバランスは如何か。検討の余地ありではないか。
もっとも、これは評価が分かれるところかもしれない。

鳴りやまぬ拍手に応えてアンコールを一曲。
サン・サーンス 「動物の謝肉祭」から"白鳥"

20分休憩の後第1部再開。この段階ですでに16時30分。
配布されたプログラムには第2部開始が17時と印刷されていたが、ほぼ絶望的。

5 東儀秀樹 地球よ優しくそこに浮かんでいてくれ
6 プッチーニ 歌劇「トゥーランドット」から"誰も寝てはならぬ"

5では東儀さんが笙(しょう)を吹いてRAブロック下の一階出入り口から登場し、
歩いてステージに。このような演出は宮田まゆみさんによる武満徹の「セレモニアル」以来。
<追記8.3>
勘違いでした。笙が登場したのは2008年PMFオーケストラ演奏会でのことです。
細川俊夫作品「雲と光」で、笙の演奏は宮田まゆみさんでした。指揮は準・メルクルさん。
その時の記事はこちらです。

<追記8.4>
やはり、宮田まゆみさんの笙で武満徹の「セレモニアル」は演奏されていました。
1999年PMFインターナショナル・オーケストラ演奏会の1曲目がそうでした。
指揮はマイケル・ティルソン・トーマス。PMF10周年の節目でした。
ブログを始める前のこととて記事もなく、少し時間がかかりました。

笙の響きがホールに響き渡ったのはアンプによる増幅があるためか。
ステージでは篳篥(ひちりき)に持ち替えて演奏。
東儀さんのオリジナル作品だが、演奏後「僕が宇宙に一人浮かんでいると、
そこに地球も浮かんでいる。すると地球がとても愛おしい存在に思えた。」と語るが、
まさしくそんなイメージが浮かび、圧倒される。
「笙は1400年前の楽器で原型保つが、今では日本にしかない。篳篥はリードも同じ
オーボエ等の木管楽器の原型。笙は天から降りそそぎ、篳篥は地上の生き物の音。
音楽の教科書には邦楽器の紹介とともに自分も載っている(笑)」と興味深い話を。
でも、「音楽の先生も笙や篳篥に触ったことがないから、熱意を込めて指導できない。」
との話には頷けるものがある。学校教育段階では楽器と言えば圧倒的に西洋で発達した
楽器を指すからね。
6は篳篥のみで。

続いてセルゲイ・ナカリャコフ登場。

7 アーバン 「ヴェニスの謝肉祭」の主題による変奏曲
8 ディニク ホラ・スタッカート

先日の特別コンサートでの超絶技巧が記憶に新しいが、今日はもっと軽妙洒脱な雰囲気があった。
7では彼の吹くトランペットから2種類の異なる音が聞えてくるミラクルさ。
ここまではPMFオーケストラの指揮はダニエル・マツカワさんでしたが、
第1部締めくくりは佐渡裕さんが指揮に登場。

9 ホルスト(田中カレン編) PMF賛歌~ジュピター~

東儀さん、小山さん、名取りさんもサプライズ登場し、お客も起立しての合唱。
起立もスムーズになりましたが、何より佐渡さんの指揮で歌えるなんて思わなかったな。
嬉しい。

20分休憩の後、第2部に。この段階で17時55分。
当初予定から55分遅れ。企画段階での検討は十分なされたのだろうか。
第2部ではPMFオーケストラにPMFアメリカも各パート首席に座り、
総勢130名以上の大オーケストラ。ステージ一杯に展開する様の壮観なこと。
プログラムCでは以下の曲が演奏された。

10 バーンスタイン 「キャンディード」序曲
11 チャイコフスキー ロココの主題による変奏曲
12 ショスタコーヴィチ 交響曲第5番ニ短調

PMFも25回にもなれば、「PMFと言ったらこの曲だね。」という曲があっても不思議では
ないのかもしれないが、とすると10はその候補としてはうってつけかもしれない。
佐渡さんのツボを心得たと思われる指揮で実に躍動感溢れる指揮でオケを引っ張る。

11ではセルゲイ・アントノフが再登場。ロココ風の愛らしい曲想を朗朗と弾ききる技量は、
さすがチャイコフスキーコンクール優勝者に恥じないものを感じさせた。
今度は他のチェロ協奏曲でその真価を鑑賞できたら幸いだ。
10では佐渡さんも慎重な指揮で伴奏に徹する。
鳴りやまぬ拍手にアンコールとして最終の第7変奏をリピートしてくれた。

休憩後の12は今回の一番の聞きものだった。
一昨年のベルリン・フィル定期でも取り上げただけに、佐渡さんも解釈には十分な自信が
あるのだろうが、指揮の自由度としてはベルリン・フィル定期より数段上にあったように
感じた。その分、オケに対する指示が鮮明で慎重かつ大胆な指揮になり、
オケから引出す響きのなんと繊細にして豊麗なことか。聴き応え十分。
特に、曲想の転換点でハープが重要な役割を果たしていると感じられたのは新鮮だった。
マゼールの用意したプログラムに佐渡さんは一曲だけ変更を加えたが、
まるで佐渡さんのために用意したようなプログラムのはまり方には満足度も高まる一方。
13年ぶりの佐渡さんのPMF凱旋公演は圧倒的な成功を収めたと言っても過言ではない。
「ブラボー!佐渡さん」

終演は19時40分。計画より40分程度オーバーだったのかな。
NHKのカメラが客席に4台、ステージに2台配置され、数年ぶりに放送があるようです。
楽しみです。当日券販売なしでしたが、カメラ配置の関係で空席が予め5%程度あったようですが、
それでも若干の空席があったのはもったいなかった。
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<追記8.4>
プログラムCでは当初1曲目はマゼール作「モナコ・ファンファーレ」でしたが、
佐渡さんに変更となった際、バーンスタイン作「キャンデード」序曲に変更されています。
記事の一部に誤りがありましたので修正しました。

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by capricciosam | 2014-08-02 23:59 | 音楽 | Comments(0)


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