【プログラム】
1 チャイコフスキー 幻想的序曲《ロメオとジュリエット》 2 モーツァルト ピアノ協奏曲第20番ニ短調 3 ベートーヴェン 交響曲第7番イ長調 会場で配布されたパンフレットの学長挨拶によれば、 「管・弦・打楽器専攻の選抜メンバーで構成されるこの管弦楽団は、毎年、前期と後期 2回の定期演奏会に加え、本学同窓会各道府県支部のご支援により、全国各地で講演を 行」ってきたとのことで、今回は青森県(9/6)と北海道(9/8)への演奏旅行のようです。 (以下「」はパンフレットからの引用を示す。) 総勢80名以上で、規模としては普段聴いている札響規模のオーケストラとなっています。 弦楽器の各パートには指導者も含まれていたが、管楽器や打楽器は学生のみのようです。 (1stヴァイオリンのコンマス横には、以前札響のコンマスをされていた深山尚久さんが いらっしゃいました。現在は准教授をされているようですね。) 1の構成は「序奏は僧侶ローレンス、第1主題はモンターギュとキャピレット家の争い、 第2主題はふたりの恋愛、最後は死を表す」というように、わずか20分弱の間に 物語の骨格を音で描写することになる分、結構メリハリの聴いた演奏を要求されると 思うのですが、基本をきちんと押さえた感じの演奏は聴き応えがありました。 PMFオーケストラに比べたら、もっと基本に忠実な感じがする演奏、とでも言えばよい のかな。 2はソロ(3年生の久保慶恵さん)が見事だった。 タッチが力強く、ピアノがオケの音に埋没することがない。そのため、オーケストラと 堂々と対峙して、臆することなく、この曲の持つ激しさと穏やかさを描写していました。 これで今以上にニュアンスに富んだら、と想像すると将来楽しみな方です。 パンフレットには明記されていないが、第1楽章のカデンツァはどなたのものだったの だろう。ひょっとしてオリジナルなのかな。 3は、近年『のだめカンタービレ』のおかげで一層有名になったが、 各パートも持てる力を結集して熱演。見事なフィナーレでした。 アンコールは2曲。 1 ビゼー 《カルメン》組曲より「闘牛士」 2 J・シュトラウスⅠ世 「ラデツキー行進曲」 会場も手拍子で参加して、楽しく終了(笑) 平日であきらめていたのですが、仕事も目処がつき、当日券で滑り込みました。 名曲コンサートの趣でしたが、演奏も良く、とても得した気分で会場を後にしました。 指揮のルドルフ・ピールマイヤーさんは全身を駆使してオケをコントロールしていました が、彼の指揮とも相まって、オケのストレートにしてフレッシュな響きはなかなかのもの でした。もちろん、アンサンブルの乱れやパートの響きが薄く感じられるところも なくはないのですが、逆に、アンサンブルが決まると、到底アマオケとは思えぬ 響きが現れる。首都圏に数多ある音楽大学・音楽学部で武蔵野音楽大学の実力がどの程度の 位置付けなのかは知りませんが、こういうプロに肉薄するような音楽を聴けるのは 嬉しいことです。全国各地を巡るようなので、またの来道は何年後になるのかは知りません が、機会があれば、ぜひ聴いてみたいものです。 Pブロックと3階席には入場させていないようでしたが、会場には高校生の姿が 目立ちました。きっと自分の数年後を描いている人もいるのでしょう。 そう言えば休憩後のベートーヴェン演奏の前に道内出身者が紹介されていました。 旭川、札幌、函館から合計4名。ぜひ精進を。 学生獲得という意味合いもあるのでしょうから良いアピールの場なんですね。納得。
by capricciosam
| 2014-09-08 23:45
| 音楽
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