デュフィ展@愛知県美術館2014

西洋美術の中でもデュフィはピカソなどに比べると、それほど有名ではないのかもしれない。
「知る人ぞ知る」的な作家の一人と言えるのかな。
初めて出会った作品は覚えていないのですが、大胆な色彩と、描きなぐったか、のような
荒荒しい線による構成が特徴的で、遠景でとらえた場合の人間や葉などは
あたかも素人でも描けるのではないか、と勘違いしそうなくらいです。
具象画のような精密さとは対局にある絵でしょう。
今回デュフィの裸婦像を初めて鑑賞しましたが、そもそものデッサン力自体にも疑問を
感じるくらいでした。しかし、十分個性的であるため、語弊はありますが、
「ヘタウマ」という言葉があてはまりそう。

もっとも、絵全体として醸し出される魅力は格別で、鑑賞者を魅了するのは間違いありません。
ひとつは、大胆過ぎるくらいの独特にして鋭敏な色彩に対する感覚ではないでしょうか。
青色を基調に複数の原色を大胆に配置していくのですが、効果的に画面全体に
独特の雰囲気を与えています。画家なりの計算は当然あったにしても見事なものです。
もうひとつは早描きしたかのようなラフな線。しかし、それが無数あることで画面全体に
軽快なリズムを産み、躍動感とも、沸き立つ感じとでも言うのでしょうか、
モダンでエスプリに満ちた雰囲気が充ち満ちてきます。
この二つの要素がデュフィ作品を特徴づける最大のものであり、デュフィ好きには堪らない。

今回は回顧展のため、初期の作風から変化していく様を観ることができたのは幸いでした。
また、絵画だけでなく、挿絵、陶器の図柄、テキスタイル・デザインまで広範に網羅して
彼の画業を紹介していたため、初めて知ることも多く、ますます彼への興味が深まりました。
特に、テキスタイル・デザインは現代でも十分通用するのではないか、と思いました。
しかも、出品の大半は国内の島根県立石見美術館でした。
コレクションなのでしょうが、見事なものです。

東京、大阪と巡回し、名古屋が最後、12月7日まで。
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<追記11.8>
展示されていた作品のひとつに「オーケストラ」がありました。
作品近くの説明によると指揮者シャルル・ミュンシュと親交があったようです。
とすると、この絵に描かれているのはシャルル・ミュンシュなのかな?
また、この作品でティンパニの描かれ方が現在みるセッティングとは違います。
当時は、こういう風にセッティングされていたということなのでしょうか。

<11.16追記>
ラウル・デュフィ(1877-1953)
シャルル・ミュンシュ(1891-1968)
作品「オーケストラ」が制作されたのは1942年ですから、
親交を重ねた期間としても短くはなかったようですね。

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by capricciosam | 2014-11-04 22:46 | 展覧会 | Comments(0)


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