札幌交響楽団第575回定期演奏会@Kitara2014

【プログラム】

1 チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲ニ長調
2 ショスタコーヴィチ 交響曲第15番イ長調

シンプルなプログラムながら、やはり目玉は2だろう。
札響も過去に2回しか演奏しておらず、実演では聴く機会が限られる。
ショスタコーヴィチの最後の交響曲、作曲年は1971年で初演は1972年。
今からわずか40年程前だから現代曲なのだが、決して難解な類ではない。
とは思うものの、不思議な味わいに満ちていることは確かだ。
他の作品からの引用も多く、各パートの首席奏者によるソロも頻繁にあり、
常にオーケストラが合奏しているという訳でもない。
晩年の体調不良の中で書き上げられただけに、自らの人生を回顧しているかのような
諦観や寂寞感すら感じさせ、耳を傾けていると瞑想的な感覚にしばしば襲われる。
曲は打楽器の響きの中、不思議な余韻を残して終わる。
旧ソ連の体制下で生きなければならなかっただけに、ストレートな感情表現ができない
複雑な心情が謎めく雰囲気を求めたのかもしれない。

指揮のクラウス・ペーター・フロールは2009年のマレーシア・フィル以来2度目。
フロールさんはテンポを落として楽譜の音を一音たりとも逃すまい、
というような気迫で丁寧に札響を指揮していた。
楽章間はほとんどアタッカながら、演奏終了まで約50分。
配布された資料の予定演奏時間より5分も長かったが、冗長なところは一切なく
味わいは深かった。札響も弛緩することなく、これに応えたことは見事だった。
特に各首席のソロが近年の札響の実力向上を如実に示していたのが嬉しい。
ファゴット、チェロ、トロンボーン、コントラバス(客演)が印象に残った。
この曲もCDよりライブが楽しめる曲のひとつだろう。

書く順番が逆になったが、1は名曲中の名曲。
ソリストのオーガスティン・ハーデリッヒの予備知識もなく、
それほど期待していなかったというのが正直なところだが、
開始早々座り直して聴くことになるとは予想だにしなかった。
名器ストディヴァリウスを貸与されるだけのことはある。
音が明瞭、かつ情感がきちんと感じられる、こんなチャイコンは記憶にない。
名器と技量の幸福な出会い。演奏終了と同時に大ホールは沸きに沸いた。
鳴りやまぬ大拍手にアンコールを一曲。

パガニーニ 24のカプリースより第24番

絶品。さらに大ホールが沸いたことは言うまでもない。 

演奏会終了後の満足度はとても高かったが、やはり、演奏会には足を運んでみるものだ。
昼公演。空席はあるものの、8~9割の入りか。
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by capricciosam | 2014-12-13 23:35 | 音楽 | Comments(0)


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