札幌の初夏を彩る教育音楽祭PMFが今年も始まった。
「祭」ゆえ、例えコンサートでも「聴きに行く」というよりは、「参加する」 という感覚が私としてはピッタリする。 しかし、それでも参加できるのは毎年ほんの数回がせいぜいでは あるが、第一回から毎年参加してきたことは、私としては画期的。 先夜は東京カルテットの演奏会に足を運んだ。 今年から室内楽コースも設けられ、その一環で東京カルテットも来札 したようだ。在米の日本人で結成以来35年、メンバー交代を経ながら も高い評価を受けており、ぜひ一度生で聴きたかったカルテット だった。 当夜の演奏曲目はモーツァルト、林光、ブラームスであったが、 いずれの曲もかけひきの妙を十分に味わわせてくれ、アンサンブルの うまさには感心した。その奏でる音も、音圧を感じさせる先鋭な音では なく、熟成された大人の味わい、とでも言ったら良いのであろうか。 特に、ブラームスの弦楽四重奏第一番はディスクでは、ほの暗く陰鬱 な感じの第一楽章からしてなじみ難く、聴きとおすのが苦手な曲の ひとつで、なんとも心配ではあったが、まさしく「熱演」で、ぐいぐい 引込まれ、曲想の変化を十分楽しめたのは望外の喜びであった。 終演後、あまり良い入りとは言えない会場からもブラボーがしきり にとんでいた。 バーンスタインの提唱で始まったPMFも、ひょんなことから札幌で 開催され、今年で第16回目。最近は景気の低迷もあって資金難から 苦しい運営の様子だが、これからも続けていってもらいたいものだ。 写真は東京カルテットのCD/シューベルト/死と乙女
by capricciosam
| 2005-07-23 11:45
| 音楽
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