札幌交響楽団第577回定期演奏会@Kitara2015

【プログラム】

1 シベリウス 交響曲第5番変ホ長調
2 シベリウス 交響曲第6番ニ短調
3 シベリウス 交響曲第7番ハ長調

尾高さんの札響音楽監督として最後の定期演奏会。
取り上げたのはシベリウスチクルスの完結となる後期交響曲。
これまで巷間「札響にはシベリウスが似合う」との評判は耳にしたものの、
演奏される作品には偏りがあるようで、今回取り上げた札響の演奏歴は
1から順に4回、1回、3回と少ない。つまり、決して耳なじみのある曲ではない。
やはり「さまざまな形式や表現を通じて追求してきた交響曲連邦の高峰」
(会場で配布された資料P6より引用)であるが故の取っつきづらさが影響しているのか。

CDでは予習していたものの、改めて印象深かったのは2、3。
永遠とか、宗教的憧憬を想起させるかのような清澄さ、静謐さが印象的な6は
3曲の中では18年前に一回演奏されたきりで、尾高監督も初めて指揮されたとのこと。
指揮棒を持たずに情熱的に指揮された尾高監督の下、札響のアンサンブルが
素晴らしく、演奏終了とともにこみあげる思いは格別のものがあった。
3ではさらにそのアンサンブルが精緻になったような印象を覚えた。
単一楽章の中に千変万化する色合いを楽しんでいるうちに
「簡潔で無限性を志向するような集結を迎える」
(会場で配布された資料P9より引用)
尾高監督のコントロールが冴え、見事な大団円だった。

惜しむらくは、3曲とも監督が腕を下ろしきらぬうちに拍手が始まったことだ。
音が鳴りやんだ後の静寂がもっとあれば、余韻を経てより感動は深まったことだろう。
ライブ録音されていた。やや空席があったものの、9割以上の入り。

3月末と4月末で退団される2名に花束が贈られた後、札響理事長がマイクを
持ってステージに現れ、尾高監督に丁寧な謝辞を述べられて花束を贈る。
それを受けて尾高さんは概ね以下のように最後の挨拶をされた。

「ひとつだけ訂正しておきたいのは、僕は「おだか」ではありません、「おたか」です。
(作曲家の)兄は「おだか」と言ってたのですが、僕は若い頃から「おたか」と言って
ました。尾高賞を兄が受賞した時は司会のアナウンサーもこんがらがっていました(笑)。
44年札響と関わってきて、うちポストを持ったのは22年。常任指揮者を引き受ける前に
Kitaraホールができあがっていたのですが、僕はこのホールが大好きです。札響も
このホールとともに成長してきたように思います。(音楽)監督はいつまでもやるものでは
ありません。オーケストラは色々な指揮者に振ってもらわなければだめなんです。
僕の後は、ポンマーさんやエリシュカさんの他色々な方が振る予定です。僕も秋には
定期に来ますので、ぜひまたお越しください。ありがとうございました。」(大拍手)

演奏者とて人。オーケストラも人の集合体であるが故に、演奏は常に変化し、
この段階でもう良いなんてことはない訳なんだが、近年の札響の充実をみると
尾高監督の長年に渡る尽力と果たした役割は大きいのではないかと思う。
お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。
c0007388_22162253.jpg

[PR]
by capricciosam | 2015-02-14 22:16 | 音楽 | Comments(0)


<< 笠井誠一展@札幌芸術の森美術館... 札響名曲vol.5@Kitar... >>