毎年異なったメンバーで、しかも短期間に音作りをしていかねば
ならない、というハンディを背負いながら、その時時の指揮者の下、 醸し出す音に酔いしれることができたなら、これはこれで十分なる 醍醐味を味わえた、と言わねばならないだろう。 世界各国から集まった若者で構成されたPMFオーケストラの演奏 を聴くたびに、その醍醐味を味わってこれたのは幸いなこと。 しかし、百数十人からなる同オケだけに毎年音量は申し分ないが、 技術を超えた「ニュアンス」の乏しさが時に露見するのは、いささか やむをえないことなのかな、と少々あきらめ気味でもあった。 まあ、ヌーボーと思えば、それはそれでそのフルーティな味わいを 楽しむことができる。なにもヌーボーにヴィンテージと同じことを 求めても、それは瀬のないこと。 そんなことを感じながら、毎年同オケの仕上がりぶりを楽しんできた。 しかし、昨夜は「奇跡」が起きたのではないか、と感じられる瞬間が あった。そこには見事に「ニュアンス」があった。 ヌーボーなのに「こく」を感じる瞬間があった。 ロッシーニの序曲とレスピーギのローマ三部作という色彩感あふれる イタリアもので構成されたプログラムもかなり寄与しているとは思うが それでも丁寧にかつニュアンス豊かにプロオケ顔負けの演奏を展開 してくれたことには正直驚いた。 これは指揮者ネルロ・サンティのトレーナーとしての貢献や大と言える であろう。ネルロ・サンティおじさん、恐るべし。 74歳と高齢なのは心配な点だが、思わず来年も来てくれることを 期待してしまった。 昨夜の演奏会は、これまでのPMFオーケストラの演奏史上でも、 一二を争う最高の出来として語り継がれていくのではなかろうか。 今日のピクニック・コンサートを終えてから、大阪、名古屋、東京と 巡演するようだが、各地での反応やいかに。 写真は「爆演系」バティスのCD/レスピーギ/ローマ3部作
by capricciosam
| 2005-07-31 08:49
| 音楽
|
by capricciosam
お気に入りブログ
佐々木譲の散歩地図 代々木よもやま クリオネのひとり言 ちょっと休憩中。。。 falcon's eye 馬耳Tong Poo 盲導犬アイデンとの日記 ... Chocolates 虹の彼方のひとりごと お気に入り続き
◆道内在住の作家
2010年直木賞受賞 佐々木譲資料館 ◆札幌在住8年、 2007年秋京都へ 2014年木更津へ 志水辰夫めもらんだむ ◆「蔵吉」さんのブログ メニューはクラシックCDア・ラ・カルト ◆「ぼくてき」さんのブログ 昭和30's生まれの普通の日々 ◆「むぎ」さんのブログ さや すか くちん ブログパーツ
最新のトラックバック
カテゴリ
以前の記事
タグ
その他のジャンル
ブログジャンル
|
ファン申請 |
||