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サンティ&PMFオーケストラ@PMF2005

毎年異なったメンバーで、しかも短期間に音作りをしていかねば
ならない、というハンディを背負いながら、その時時の指揮者の下、
醸し出す音に酔いしれることができたなら、これはこれで十分なる
醍醐味を味わえた、と言わねばならないだろう。
世界各国から集まった若者で構成されたPMFオーケストラの演奏
を聴くたびに、その醍醐味を味わってこれたのは幸いなこと。
しかし、百数十人からなる同オケだけに毎年音量は申し分ないが、
技術を超えた「ニュアンス」の乏しさが時に露見するのは、いささか
やむをえないことなのかな、と少々あきらめ気味でもあった。
まあ、ヌーボーと思えば、それはそれでそのフルーティな味わいを
楽しむことができる。なにもヌーボーにヴィンテージと同じことを
求めても、それは瀬のないこと。
そんなことを感じながら、毎年同オケの仕上がりぶりを楽しんできた。
しかし、昨夜は「奇跡」が起きたのではないか、と感じられる瞬間が
あった。そこには見事に「ニュアンス」があった。
ヌーボーなのに「こく」を感じる瞬間があった。
ロッシーニの序曲とレスピーギのローマ三部作という色彩感あふれる
イタリアもので構成されたプログラムもかなり寄与しているとは思うが
それでも丁寧にかつニュアンス豊かにプロオケ顔負けの演奏を展開
してくれたことには正直驚いた。
これは指揮者ネルロ・サンティのトレーナーとしての貢献や大と言える
であろう。ネルロ・サンティおじさん、恐るべし。
74歳と高齢なのは心配な点だが、思わず来年も来てくれることを
期待してしまった。
昨夜の演奏会は、これまでのPMFオーケストラの演奏史上でも、
一二を争う最高の出来として語り継がれていくのではなかろうか。
今日のピクニック・コンサートを終えてから、大阪、名古屋、東京と
巡演するようだが、各地での反応やいかに。

写真は「爆演系」バティスのCD/レスピーギ/ローマ3部作
サンティ&PMFオーケストラ@PMF2005_c0007388_8364521.jpg

by capricciosam | 2005-07-31 08:49 | 音楽


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