PMF-GALAコンサート@Kitara2015

4回目を迎えたGALA。
Kitaraでの演奏会を、こういう長丁場スタイルで楽しむというのも
ファンの間で定着しつつあるようで、思い思いに装った女性が目立ちます。
やはり、こういう場は男性は女性にかなわない。

第1部は毎度おなじみ天羽明恵さんの司会進行で。
MCが長くなりがちなのはステージでのセッティングに時間がかかるためで、
「つなぐ」という意識を常に強いられるため、大変だろうと思います。

1 デュカス:「ラ・ペリ」のファンファーレ
開場を告げるトランペットによるファンファーレは2回目から定着したスタイルですが、
そのみなさんにより華やかに開幕。

2 オッフェンバック:歌劇「ホフマン物語」からオランピアのアリア
いったんステージそでに退場した天羽さん。お供をつれてぎごちない動きで再登場。
オランピアは19世紀に作られたゼンマイ仕掛けの人形。途中、ゼンマイが切れると
イスに座っていたお供がネジを巻き、再び歌い出すというコミカルな動きと見事な歌唱
を披露。これは楽しい演出でした。思わず昨年の「ナクソス島のアリアドネ」を思い出し、
内心「ツェルビネッタ!」と叫んでいました(笑)
お供はPMF組織委員会の上田文雄理事長(前札幌市長)。小芝居も上手で、さすが
ステージ慣れしてますね。いったんステージからイス等を撤去(時間がかかります)。

3 プーランク:六重奏曲
PMFアメリカにPMFピアニストが登場。2でくつろいだ会場の雰囲気が一気に締まる。
20世紀の作品。多彩な表現が各楽器の異なる色彩で味わう趣がある。
初めて聴いたが、指導陣の達者な演奏で楽しめた。

4 ヴォーカル・アカデミーによるオペラアリア
今年はPMFヴォーカル・アカデミーが設けられており、4名のアカデミー生が登場。
バリトン、メゾ・ソプラノ、テノール、ソプラノの順で歌声を披露。
どんな曲を歌われたのかはパンフレットに記載もなく、天羽さんの口頭での紹介のみ
のため曲名は覚えておらず不明。会場の拍手はテノール、ソプラノにやや多かったか。
指導されたのが、マリオ・デル・モナコが来日初公演した時に相手役を務められた
というガブリエラ・トゥッチさん。相当な経歴をお持ちの方らしいが、もっと時間があれば
(彼らは)もっと良くなるとおっしゃっていたのが印象的。(今回は4~5日程度らしい)

ただ、指揮アカデミーはモーツァルトを一楽章ずつ振ってでもPMFオーケストラと共演
したらしいが、ヴォーカルでは明日のピクニック含めてオーケストラとの共演がない
のが少し不思議。機会をくふうしても良いのでは、との思いが残った。

いったん休憩。(この間ロビーでは天羽さんによるPMF讃歌の練習)

5 モーツァルト:ディヴェルティメント第17番k.334から
コンマスにライナー・キュッヒルさん登場。6-6-4-3-2にホルン2。
たった一人のプロだが、されどプロ。牽引する力量がケタ違いなんだろう。
オーケストラから紡ぎ出される調べのなんたる素敵なことか。
終えてキュッヒルさんがメンバー全員と握手していたのが印象的。
全期間、特に後半はお一人で弦楽器部門の面倒を見ていたのではないかと
推測されるだけに、責任を果たされた感慨もひとしおだったのではないか。

6 ホルスト(田中カレン編/井上頌一詞):PMF讃歌~ジュピター
コンマスはPMF生に変わり、指揮に芸術監督のゲルギエフ登場。
4回目となったが、ブロックによっては起立する人も少ないところもあったようで、
会場の一体感は前回より少し乱れた感じですが、私?ええ、起立しましたとも。
そして歌いましたよ。なんたって、ゲルギエフ指揮で歌えるんですから。

これで第一部を終了したのですが、すでに17時30分。20分の休憩をはさみ
第二部が始まったのは17時50分。パンフレットには【第2部 17:00~】と
記載されているが、約一時間超過。これは昨年同様です。
ステージのセッティングに時間がかかる内容だけに、構成時間の検討が
きちんとなされたのか疑問だが、1時間押しは少し極端。しかも2年続けて。
来年も似たような構成なら、少なくとも第2部の開始時間は、
より現実に近い時間を記載しておくほうが親切ではないかと思う。

第2部からは(今年は記載がないが<プログラムC>の)PMFオーケストラ演奏会。
以下の曲が演奏された。

7 ロツシーニ:歌劇「ウィリアム・テル」序曲
8 ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調作品18
9 ショスタコーヴィチ:交響曲第10番ホ短調作品93

7はまとまりは悪いとは思わないが、感興としてはやや乏しい。

8には6月のチャイコフスキー国際コンクールで優勝したドミトリー・マスレエフが登場。
天羽さんもおっしゃっていたが、コンクール後演奏を初めて披露するのがPMFとのこと。
当初予定されていた「皇帝」を変更して望んだロシアものだが、これは素晴らしかった。
若々しく確かな打鍵のせいだろうが、曲の持つリリシズムがリフレッシュされたかの
ごとき思いがした。同年代のマスレエフに刺激されたかのようにPMFオーケストラの音も
ぐっと引き締まり、これも好演だった。ここまでのオケはPMF生のみ。
鳴りやまない拍手にソリストがアンコールを1曲。

チャイコフスキー:18の小品作品72から 踊りの情景(トレパックの誘い)

9はゲルギエフの2004年PMF初登場に続く2回目のショスタコーヴィチ。
彼の個人的葛藤や苦悩が色濃く反映された作品のため、音楽も緊張と弛緩が
極端に現れることで、なお一層ショスタコーヴィチの苦渋を浮き彫りにさせる。
コンマスにライナー・キュッヒルさん、各パートの首席にはPMFアメリカの指導陣。
さらに音の厚みと豊かな表情を獲得したオーケストラをゲルギエフは
自在にコントロールし、圧倒的な熱演を引き出した。ブラボー!
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<追記>
カメラが複数台設置され収録。その周辺を覗いてほぼ満席。
場内アナウンスでは「インターネット配信のための収録」のように言っていたが、
地上波やBSでは放送はなく、ネット配信のみとなるのだろうか。
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by capricciosam | 2015-08-01 22:11 | 音楽 | Comments(0)


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