札幌交響楽団第580回定期演奏会@Kitara2015

【プログラム】

1 フンメル 序奏、主題と変奏ヘ長調op.102
2 シューベルト アンダンテ ロ短調D.936A(ローランド・モーゼル編)
3 シューベルト 交響曲第7番ロ短調D.759「未完成」
4 バルトーク 管弦楽のための協奏曲

2015-16シーズンの定期演奏会も興味深いラインナップですが、
中でも9月は注目していた月のひとつ。
著名なオーボエ奏者のハインツ・ホリガー(以下、「ホリガー」という。)さんが指揮者
として登場するというのだ。ホリガーさんが国内の在京オケを指揮されている評判は
耳にしていたが、まさかホリガーさん程の人が、と半信半疑だっただけに、
実際に聴くことができる絶好の機会となったのは喜ばしい限りだった。

1でステージ下手からオーボエを手にして入場する足取りの軽やかなこと。
オケを背にしてオーボエを吹きながらところどころ指揮をする、という「吹き振り」
だったが、最初から安定した音量で朗朗と吹く姿は到底御歳76歳とは思えない。
札響も見事なアンサンブルで応え、これだけでも足を運んだ甲斐があるというもの。

吹き振りは1だけで、2以降は指揮に専念。
2はシューベルトの未完に終わった三楽章形式の交響曲の一楽章を、
現代スイスの作曲家が編曲したものだが、2の終結部で弦楽器の各トップが
かけあいながら演奏が停止した瞬間に続けて3の冒頭の低弦部に入っていった。
あたかも未完成の長い前奏のような位置付けのように思われた。
ホリガーさんはテンポを守った、オーソドックスな指揮で、
3では1楽章から2楽章もほぼアタッカ状態で名曲を仕上げていた。
何やら2と3を一環したひとつの作品として提示されたような思いで受け止めたが、
不思議な余韻が残った。「こういうのもありか~」

4は札響の演奏回数も13回と少ないが、小生も実演は初めてだった。
この作品は「オーケストラの各楽器を独奏者のように扱って、色彩感に富み、
生への肯定に向かう生命力を歌い上げている。」(以上、配布された資料より引用)
とあるように、オケの力量も問われる。ホリガーさんは全身を駆使した、とても
メリハリのある指揮で牽引したが、札響もよくこれに応えて見事な演奏だった。
この曲もCDより実演のほうが数段楽しめる曲だとわかったのは収穫だった。

ホリガーさんの指揮は「名手の余技」という範囲でとどまらない、至極まっとうなもので
オーケストラのドライブも堂に入ったものでした。しかも、楽章間も汗ふきの間も
とることなく、ほとんどアタッカ状態で飄々と指揮をされる姿の若々しいこと!?
また機会があれば、他の作品で聴いてみたいものです。
それから、ホリガーさんは一曲ごとにオケに向かって拍手して健闘を称えるのですが、
終演後は札響の皆さんがホリガーさんに盛大に拍手をして指揮者を称えていました。
こんなにオケから賞賛される指揮者は久しぶりに見ました。

録音されていましたが、放送用でしょうか。
昼公演。客入りは8~9割か。
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by capricciosam | 2015-09-05 22:56 | 音楽 | Comments(0)


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