銀座「春画」展@東京・永井画廊2015

小旅行の直前に銀座の永井画廊でも春画展が開催されていることを知り、
「そうそう見られる訳ではないので、時間があればついでに見ていくか。」
くらいの気持ちだったが、春画展を見終わっても、帰りの飛行機までは
時間に余裕があったので、永青文庫を出てそのまま銀座まで足を伸ばした。
画廊故展示スペースはかなり制限される中、画廊の4階、5階、8階を使って
銀座「春画」展は開かれていた。昼も春画である。しかも、銀座。

永青文庫の春画展は春画の世界を知ってもらおうという意図らしく、多くの
作品の紹介に重点を置いたため、春画の全体像を掴むという点においては
申し分なかったが、巻物等の一部だけ、12枚組の数枚だけ等作品そのもの
の展示はスペースの都合上、部分的、限定的にならざるを得なかったようだ。

その点、銀座では点数はさらにぐっと限られるものの、構成が2つに
絞られていた。4階では春画が江戸時代からたびたび禁止されたにもかかわらず、
「公然の秘密」として貴賤を問わず支持され、明治時代以降の近代化で激しく
制限されてきた中でどのように命脈を保ってきたか、を実際の春画・艶本を
展示しつつ解説していく、いわば春画・艶本の具体的な歴史。
この歴史の部分は永青文庫では解説でも軽く触れられていたが、段階を追って
解説している銀座のほうがわかりやすかった。

5階ではデジタル技術で彩色鮮やかに蘇った葛飾北斎の艶本「萬福和合神」が
物語に沿って読み進めることができるようになっていたが、これも永青文庫に
ない試みで、春画・艶本を通読する体験ができたことで春画との距離を縮めた
ように思う。

このように、銀座「春画」展はテーマを絞ることで深掘りされた感じで
永青文庫と併せて鑑賞したことで、より春画の世界への理解が一歩進んだように
思われ、銀座へ足を伸ばして正解だった。

しかしながら、2つの展覧会をみて感じるのは、春画の特異性は美術としての
評価が妥当なのか否かが、やはり大いに迷う代物だな、という位置付けの
難しさだった。将来、性への倫理観自体が変化していく中では、日中に
年齢制限もなく、堂々と鑑賞される時がくるのかもしれないが、
昭和生まれの硬い頭では内容の過激さから「公然の秘密」というよりも
「18歳未満鑑賞禁止の美」程度が妥当な落ち着きどころでは、と思ってしまう。

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<11.15追記>記事の一部を加筆修正しました。


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by capricciosam | 2015-11-12 00:03 | 展覧会 | Comments(0)


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