ルノワール展@国立新美術館2016

カラヴァッジョ展を鑑賞した後、六本木の国立新美術館へ移動した。

印象派の大家ルノワールは日本人にもなじみ深く、これまでも数え切れない
くらいの展覧会が開催されてきたことだろう。本展覧会ではオルセー美術館と
オランジュリー美術館が所蔵する作品が100点以上の作品が展示されている
だけにルノワール好きにはたまらない。

小生もルノワールやセザンヌ等の印象派から西洋美術に親しんでいった訳だが、
ルノワールは良いなとは思えど、大好きという訳でもないという位置付けだ。
しかし、彼の代表作「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」は別格。
屋外で音楽、踊り、おしゃべりと社交に興じる楽しげな群衆のひとこまを
これほど色鮮やかに切り取った一枚はルノワール作品の中でも郡を抜く。
シンプルに楽しさを追求するルノワール故に、その印象を巧みに絵にした
完成度の高さが共感を呼ぶのだろう。
ルノワールを語る時に欠かせない作品であるにもかかわらず、
これまで来日したことはなく、今回が初来日とは驚いた。
実際、本作品の前が一番混雑しており、入場者の関心の高さがうかがい知れた。

その他にも見比べて楽しい作品が展示されていた。
①「都会のダンス」と「田舎のダンス」
②「ピアノを弾く少女たち」と「ピアノを弾くイヴォンヌとクリスティーヌ・ルロル」

①は前者で描かれている男女が正式なたたずまいというのは言うまでもないことで
女性もとりすまし、画面全体が一種の冷たさを醸し出すのに比べ、後者の男女は服装も
正式とは言い難く、あまつさえ女性の口を半開きにした笑顔が素朴さを強調する。
ルノワールがどちらに好意的な視線を向けていたかは明らかで、事実この女性は
生涯の伴侶となる人であった。他にも「母性 乳飲み子(ルノワール夫人と息子ピエール)」
で赤ちゃんの息子にお乳を含ませる夫人の肖像画と、そばに彼女が亡くなった時に
作られた彫像も展示されていた。ルノワールの暖かくやさしいまなざしを感じずには
いられなかった。

②は前者はルノワールの代表的な作品のひとつ。
後者はそのモデルとなった二人の少女の5年後を描いているが、構図も異なり平板な印象。
モデル、構図含め前者のほうが観る者を惹きつける。

その他、「私は人物画家だ」というコーナーが設けられるくらい、
改めてルノワールの肖像画は魅力的だなと感じられた。
ルノワールの生涯にわたる画業を俯瞰的に観賞する絶好の機会だった。

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by capricciosam | 2016-05-29 23:12 | 展覧会 | Comments(2)
Commented by desire_san at 2016-07-13 16:13
こんにちは。
私もルノワール展を見てきましたので、興味を持って読ませていただきました。『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏場』『ピアノを弾く少女たち』『浴女たち』などルノワール絵画を代表する傑作を間近で見られて大変感激しました。ルノワールの絵画にこめられた生きる喜びを感じられて、私も元気をもらいました。

今回のルノワール展からルノワールの絵画の魅力となぜルノワールの絵画が見る人を魅了するのかと、ゴッホ、ゴーギャン、セザンヌとの芸術の本質的の違いを考察してみました。読んでいただけると嬉しいです。ご意見・ご感想などコメントをいただけると感謝いたします。
Commented by capricciosam at 2016-07-17 07:51
> desire_sanさん、コメントありがとうございます。

>絵画にこめられた生きる喜び

おっしゃるとおりで、どの作品からもにじみ出る
のが感じられ、ルノワールへの認識を新たにしました。
先ほど貴ブログにコメントさせていただきましたので
ご覧ください。


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