PMFウィーン弦楽四重奏演奏会@Kitara2016

【プログラム】

1 ハイドン:弦楽四重奏曲 ヘ長調 作品77-2「雲がゆくまで待とう」
2 シューベルト:弦楽四重奏曲 第9番 ト短調 D. 173
3 シューベルト:弦楽四重奏曲 第12番 ハ短調「四重奏断章」D. 703
4 ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第8番 ハ短調 作品110

PMF創設以来ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団は指導陣の主要な柱だった。
コンマスのライナー・キュッヒルさんは参加9回(4年連続)となったが、
来月には定年を迎えるはずだから、現役としては今回が最後の参加となるのかな。

プログラムは古典、ロマン、現代で構成。中でも、お目当ては4だった。
ショスタコーヴィチの作品を取り上げるのは2013年演奏会以来3年ぶり。
彼の作品にはアイロニカルな視点を有する思索的な作品も多く、
この作品も一般的には「ファシズムと戦争の犠牲者のため」に献呈されたという
誕生の背景から入りがちだが、そんなことを抜きにしても聴く者の心をとらえる力に
満ちている。それは、作曲者自身の苦悩する心の一端を作品としてストレートに
反映させていることに成功しているからではないか、と思っている。

5楽章から構成され、続けて演奏される。
重苦しい第1楽章が第2楽章では一転して激しい感情が奔流となって噴出する。
キュッヒルさんの顔がみるみる紅潮していく。
苦しみ、不安、怒り等の決して心地よい感情が連想されることはないのだが、
劇的に変化する様にぐいぐい引き込まれ、最後は第1楽章の重苦しさに満ちて閉じられる。
一瞬の静寂の後の盛大な拍手。秀演。
実演で聴くのは初めてだったが、こんな高いレベルで聴くことができたのは幸運だった。

アンコールは2曲。コントラバスのミヒャエル・ブラーデラーさんも加わります。

5 佐渡おけさ
6 チャイコフスキー 弦楽セレナーデ第2楽章

シューベルトの中では3が印象深い。
「断章」と名付けられたとおりひとつの楽章しかない未完の作だが、
激しい情熱と叙情を感じさせる独立した作品としての魅力がある。
やや早めのテンポでキュッヒルさんがぐいぐい牽引することでより劇的な印象が残った。

前売券完売の人気公演だったが、30枚ほど当日販売も行われたようだ。
(ホール到着時には当日券売り場は閉まっていたのでその点は不明)
それでも若干の空席があり、満席とはならず。

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by capricciosam | 2016-07-18 19:50 | 音楽 | Comments(0)


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