札響名曲~チェコを離れて:エリシュカのお気に入り@Kitara2016

【プログラム】

1 モーツァルト:交響曲第40番ト短調
2 ドヴォルジャーク:アメリカ組曲
3 ストラヴィンスキー:組曲「火の鳥」(1919年版)

先週の定期演奏会に続きエリシュカさんによる名曲コンサート。
定期の時公表された来シーズンの札響演奏会の速報によると、来札は
10月の定期演奏会のみで、しかも定期演奏会と名曲を指揮するという形はありません。
ご高齢ですから、エリシュカさんのお身体の負担を避けるという意味なのでしょうが、
指揮ぶりは実に矍鑠(かくしゃく)としているので、長く続けてもらうという意味では
やむを得ないでしょうね。しかし、残念。

閑話休題。1は基本に忠実でありながら、立ち現れる音楽のなんと新鮮であることか。
基本的には「ジュピター」を含む2012年の名曲で抱いた感想と変わらない。
そういう意味ではエリシュカさんの姿勢には一貫したものを感じる。
ただ、深みや劇性を第一に求める向きには首肯しずらいものがあるのではないかとも思う。

2はドヴォルジャークが渡米後書き上げたピアノ組曲をオーケストラ用に編曲したものらしい。
初めて耳にしたが、何やら西部劇の荒野が目に浮かんだりして聴いていて楽しい。
肩肘張らない娯楽色が強い作品。各パートの首席がソロをとっていたが、
ホルンとオーボエが印象に残った。

今回のプログラムではもっとも期待していたのが3。長年エリシュカさんを聴いてきて
こういう躍動感あふれる色彩感に富む作品はうってつけなんだろうと思っていた。
ただ、この作品は外見的な効果を狙うと、とかく力業に頼りがちになる傾向もあるように
感じていたので、今回のような慎重かつ精緻な演奏指向は細部にこだわり過ぎて
迫力不足ととる向きもあるだろうなと思う。しかし、例えば「魔王カシチュイの踊り」でも
札響のダイナミクスを活かして迫力十分だったとおもうだけに、作品自体に語らせる
手法ととるなら必要十分な演奏だったのではないかと思う。

ほぼ満席の会場からの万雷の拍手に応えアンコールを一曲。

4 スメタナ 歌劇「売られた花嫁」より"道化師の踊り"

<蛇足>
今回はエリシュカさんにしては珍しいシーンが2回ありました。
1回目は一旦ステージ裏に引っ込んでから3のために再登場したエリシュカさんですが、
指揮台上で胸ポケットを探っていたが、なにやらないらしい。ステージ裏に助けを求めたら、
届けられたのは眼鏡。受け取ってすぐ顔にかけて胸に両手をあてて会場に「ごめんなさい」の
ボーズ(笑)これには会場からも笑いが起きて、一瞬緊張が緩む程和みました。
2回目はプログラム終了後、拍手に何回か応えていた時に発生。
オケはアンコールの準備をしていたのですが、そのまま袖に引っ込もうとするので、
コンミスの大平さんがエリシュカさんを止めて何やら話していたと思ったら、
「オッ」という表情でエリシュカさんが急いで指揮台に戻りアンコールになりました。
エリシュカさん、どうやらアンコールを忘れていたようですね(笑)
エリシュカさんの演奏会を長年追ってきて、年齢に似合わずしっかりしているな、と
思っていたのですが、やはり年齢相応の部分はあるなと妙に納得。ご高齢ですからね。

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by capricciosam | 2016-10-22 23:18 | 音楽 | Comments(0)


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