特別展「茶の湯」@東京国立博物館平成館2017

普段、茶道などとは無縁な生活をしているだけに、今回の美術展は少々敷居が高い
かな、と思っていた。しかし、

「茶の湯をテーマにこれほどの名品が一堂に会する展覧会は、昭和55年(1980)に
東京国立博物館で開催された「茶の美術」展以来、実に37年ぶりとなります。」
(「茶の湯展」HPより引用)

とのことで、興味が湧き足を運んでみたが、あまりの見事さに驚いた。

「12世紀頃、中国で学んだ禅僧によってもたらされた宋時代の新しい喫茶法は、
次第に禅宗寺院や武家などの日本の高貴な人々の間に浸透していきました。
彼らは中国の美術品である「唐物」を用いて茶を喫すること、また室内を飾る
ことでスティタスを示します。その後、16世紀(安土桃山時代)になると、
唐物に加えて日常に使われているもののなかから自分の好みに合った道具を
とりあわせる「佗茶」が千利休により大成されて、茶の湯は天下人から大名、
町衆へより広く普及していきました。このように、日本において茶を喫する
という行為は長井年月をかけて発展し、固有の文化にまで高められてきたのです。」
(「茶の湯展」HPより引用)


茶にまつわる数々の名品により茶の歴史を俯瞰することになったが、
いやはや壮大かつ見事なものである。質量ともに圧倒された。

中でも、昨年新たな国宝の出現かと騒がれた曜変天目茶碗は
現存する3点の国宝曜変天目茶碗の中から「稲葉天目」が出品されていた。


「元は徳川将軍家の所蔵で、徳川家光が病に伏せる春日局に下賜した
ことから、その子孫である淀藩主稲葉家に伝わった。
そのため、「稲葉天目」と呼ばれるようになった。」
(Wikipediaより引用)


見込み全体に拡がる色鮮やかな模様は画像でみた以上の衝撃だった。
黒地に浮かび上がる青みを帯びた多くの斑紋は、宇宙の神秘的な輝きを
想起させられた。

同じフロアのすぐ近くには豊臣秀次が所有していたとされる「油滴天目」も
展示されていたが、茶碗の内外に無数の斑紋が形成されてこちらも息を飲む迫力。
特に、悲運だった秀次由来ということが、なお一層の物語を立ち上がらせるのか。

侘茶を完成した千利休に関する品々も質素で素朴なものが多かったのは
ある程度想像がついたが、愛した品々のうち黒塗手桶水指と黒塗中棗をみて
自分の中の利休像には誤解があったように思った。両品とも素朴であることは
変わりないが、光沢鮮やかに磨き上げられた極上の一品は、表面的な粗野感とは
異なる内面的な美の追求をしていた千利休の姿の一端を伝えるものではないか
と思い至ったが、これは意外だった。

c0007388_23204108.jpg

[PR]
by capricciosam | 2017-04-24 23:21 | 展覧会 | Comments(0)


<< 茶碗の中の宇宙@東京国立近代美... 「マタイ受難曲」★BCJ@東京... >>