月岡芳年展@札幌芸術の森美術館2017

「幕末を越え、明治の新風を浴びながら、師・国芳譲りの豪快な歴史画、
物語絵、武者絵を得意とした。同じ場面を描いても、国芳は物語の筋を説き、
芳年は登場人物の心の内に迫る。本展は、動乱の時代に惑わされることなく、
しかし、過ぎるほどに自身をみつめて精神病を患ったという、そんな自己の表現を
真摯に追求した絵師、芳年(1839、江戸?1892、東京)を紹介する展覧会である。
質、量ともに世界屈指を誇る西井正氣の芳年コレクションから版木など約150点を
選りすぐり、最後の浮世絵師として、また近代絵画の先駆者として芳年の画業を
振り返る。」(芸術の森美術館HPより引用)

本展を鑑賞しようと思ったのは月岡芳年が歌川国芳の弟子であるということだった。
2年前に鑑賞した歌川国芳は自分の浮世絵に対する見方を変えた衝撃的なものだったが、
その弟子が活躍する頃には江戸から明治に移行したことで、弟子は最後の浮世絵師と
ならざるを得なかったという運命にも興味を惹かれた。

激動する時代に身を置く中で画業を追求した結果として見れば、芳年の境遇には
一抹の同情さえ浮かぶのだが、例えば「残酷絵」は流血も生々しく描いているだけに、
正視し難いものもあるが、師匠譲りの精緻な描写力が力感のある作品にかえている。


西井氏が解説していたが、「残酷絵」は道外で展示すると内容が内容だけに作品のうち
数点しか展示されてこなかったが、今回は落合芳幾との作品と併せ「英名二十八衆句」
全作品が展示されていた。これは北海道のあまりこだわらない気風のせいかもしれないが、
札幌芸術の森美術館の判断には敬意を表したい。

<蛇足>

西井氏曰く。版画は初刷りが高い評価を得るものだが、さらに「ふちの有無」、
「折れの有無」、「汚れの有無」、「虫食いの有無」について評価されて、
折れ、汚れ、虫食いが有る程評価は下がるということだった。
折れは、当時版画をたたんで懐等にしまって運んだことによるためだという。

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by capricciosam | 2017-06-03 23:47 | 展覧会 | Comments(0)


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