ほころび

久しくニュースに触れていない。
嬉しい話題、楽しい話題よりもどちらかというと、
悲しい話題、痛ましい話題が多いような気がする。
しかし、あえて今日は重たい気持ちを奮い立たせて
書いておこうと思う。

今日も京都で広島、栃木と同じように幼い女子が犠牲者となった。
広島の件では地域としての治安の悪化を心配し、栃木の件では
変質者の出現を疑ったが、今日の事件は前代未聞だった。
従来の概念では事件は起こりえない、安全であるはずの場所での
治安の悪化は衝撃だった。
しかも大人が凶器を用意しておいて子供を殺すなんて、絶句ものだ。
対等の立場でもないのに考え方が異常としか言いようがない。
人格の劣化が顕著になってきたんだろうか。
人格の崩壊した犯罪者が大手を振って一般市民のそばにいる。
もう地域社会は守ってくれず、個人で自衛しなければならないのか。
社会的弱者にはほんとに住みづらい社会が出現してきたものだ。
「安心して暮らせる社会」は今更ながらの理念ではあるが、
こんなにも重たく迫ってくる、とは思いも寄らなかった。
財政再建も欠かせないが、安心して暮らせる社会の確立も
同様に欠かせない。

そして、これを実現する上で政治の果たす役割はここでも大きい。
しかし、某大臣が通学路にビデオカメラを設置するなんてことを
ぶちあげていたが、校門は良しとしても、どの程度のピッチで設置する
のか、果たして誰が監視するのか、そのランニングコストは
どれくらいか、どのように運営するつもりなのか、
すぐお荷物になってしまうのではないか。
どうもあちこちの街にある朽ちた交通安全監視塔のイメージと重なる。
そんな投資効果のない無駄な公共工事よりも、地域の大人が
立ち上がって、送迎や通学路の要所での監視をやった方が、
よほど手っ取り早く効果があるだろう。
そして、マンパワーは即応性があり、コストもかからない。
特に高齢者はますます多くなるのだから活用できるはず。
モノ、カネを手当すれば事態は解決できる、かのような発想しか
うかがえないようでは、社会のほころびは拡大する一方か、と
不安になる。
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by capricciosam | 2005-12-10 22:30 | 時の移ろい | Comments(3)
Commented by f16fightingfalcon at 2005-12-14 08:04
私もこの問題、いろいろと考えましたが、なかなか難しいです。私が住むところは相当田舎なのですが、地域のお年寄りが外に出て子供たちを見守ってくれている感じです。監視、ということではないですが、人目があればかなりの犯罪の抑止効果になるはずです。今の状況だと対策として十分なのか分かりませんが、子供たちを自然に見守る地域が復活しないと解決しない問題かもしれません。
Commented by f16fightingfalcon at 2005-12-14 08:09
また、「人格の劣化」という点では犯罪につながらなくてもさまざまなことが起こっているように思います。たいしたことではないかもしれませんが、公共の場所である電車の中での携帯電話や化粧など、周囲の迷惑を考えずに自分中心である人が増えているわけで、その行き着くところが今回の事件なのではないかと思えます。
Commented by capricciosam at 2005-12-15 23:11
> f16fightingfalconさん、コメントありがとうございます。
>人目があればかなりの犯罪の抑止効果になるはずです
まさしくこの点こそが大事なのですね。監視カメラを何台設置しようと、臨機応変に対応可能な人目に勝るものはない、と思います。ただし、人目といっても傍観しているだけではなんの効果もないことは言うまでもありませんが。

>周囲の迷惑を考えずに自分中心である人が増えている
もうこの流れを止めることは無理だとは思いますが、今回の犯人の元学生の供述内容が公表されるたびにあきれてしまいます。自己中というか、視野が狭いというか、短絡的というか、全然心が育っていない感じで、空恐ろしい感じです。社会的なうわべは申し分なかったのでしょうが、それを良しとしてしまう社会もいただけない感じです。人格の劣化と書いてはみたものの、社会の劣化と書いたほうが適切だったのか、と改めて思ってしまいます。


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