ミクローシュ・ペレーニ@Kitara2006

ペレーニは一部の方達には有名な人らしいのですが、
何しろCDですら聴いたことがないので判断不能。
先日も書きましたが、器楽曲はあまり手を出さないジャンル故、
「早々に退屈したらどうしよう」
ましてバッハ以外はいまだかつて聴いたこともない曲ばかり、
でも今回は全国でこの札幌公演のみらしい、とのこと。
「え~い、はずれたら、それまでだ」
と、少々居直り気味ででかけたのでした。

ステージに現れたペレーニ氏は長身ながら、少々猫背気味で
はにかんだような眼差しで客席を見て、不器用な礼をします。
なにやらこの段階で人柄が忍ばれます。
「あれ、全然巨匠風じゃないぞ」

1曲目のJ.S.バッハの無伴奏チェロ組曲第6番は
難曲らしいのですが、そんなことは微塵も感じさせない、
その完璧なテクニックに裏打ちされた誠実な音楽性が、
耳を奪います。暖かな人柄を感じさせる「音」に久々に
出会った気分でした。
当然のごとくイスに座り直して聴き始めたのですが、
2曲目のブリテンは突如として不安な気持ちにさせる音が入り乱れ、
曲自体になじめず。演奏とは別に正直つらい。
ここまでが無伴奏で、休憩をはさんだ3曲目以降が
チェロとピアノのソナタになります。
プロコフィエフはピアノとのかけあいもかみ合って、
落ち着いた雰囲気でかつ雄大な気分も時折顔をのぞかせる、
幾分親しみやすい曲でした。
最後の4曲目はドビュッシーらしい旋律がたびたびあらわれ、
空中に漂うがごとくの浮遊感のある曲。
今夜の曲ではこれが一番おもしろかったですね。
バッハを除けば、現代に近い曲中心のプログラムでしたが、
どの曲もペレーニは着実に弾きこなしていくのですから、
その力の高さは推して知るべしです。
しかも、それを一種飄々とした風情でやっちゃうんですから、
なんともすごい人です。

満席に近い会場からはブラボーもとび、鳴りやまぬ拍手に
応えてアンコールは2曲。最初がドホナーニ、ついで最後に
もう一度バッハの組曲第一番からアルマンド。
「いいなぁ」
この人のバッハは確かにうまいのですが、暖かさとか、
人間性のぬくもりのようなものを感じてしまいます。
生き様まで含めた「規範」といっても過言ではないような
感じでしたね。

終わってみれば、満足して会場を後にすることになったのは、
実に幸いなことでした。
改めて「食わず嫌いはあきまへんなぁ」という思いです。

■会場で札響のチェリストの方も何人かお見かけしましたが、
 4月にはこんな企画の演奏会も予定されているようです。 

■私がペレーニを知るきっかけとなったサイトはこちらです。
 お陰様で素敵な演奏家を知ることができました。
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by capricciosam | 2006-02-19 23:52 | 音楽 | Comments(2)
Commented by 斉諧生 at 2006-02-20 23:19 x
サムディ様、こんにちは。
御紹介ありがとうございます。
また、ペレーニの演奏を堪能いただけたようで、喜んでおります。
札幌は25年ぶり、kitaraは初めてでしたが、とても楽しく過ごすことができました。また「これは!」という演奏会があれば、行ってみたいと思っております。
 
今後ともよろしくお願い申し上げます。
 
今後ともよろしくお願い申し上げます。
Commented by capricciosam at 2006-02-20 23:50
>斉諧生さん、コメントありがとうございます。
>札幌は25年ぶり、kitaraは初めてでしたが、とても楽しく過ごすこ
 とができました
 そうだったんですか、それは失礼しました。
 遠方よりおいでいただきありがとうございます。
 楽しく過ごされたこと、なによりです。
 次回はKitara大ホールもぜひ体験されてください。
 こちらこそ、今後ともよろしくお願い申し上げます。


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