原作を一気読みした身としては、世界同時公開の記念すべき日
に良し悪しはともかく見ておきたかった、という訳で観てきました。 実に年甲斐もなくミーハー気分です。(^^) さて、ストーリーはダン・ブラウンの原作を簡潔にまとめてあり、 原作を読んでいなくてもそれなりに楽しめるのでは、と思いました。 ただ原作の情報量が膨大なのに、映画はサーッと流さざるを得ない 側面も否めないので、一度は原作にあたることをお勧めします。 でも本物のルーブル美術館でロケしただけあって、雰囲気は ありますね。この辺は映像の強みですね。 それから基本的には「謎解き」なので、アクション大作と思って観られた 方は肩すかしをくらったような気持ちになるかもしれません。 世界同時公開の意味はあくまでも原作で提示した宗教上の疑義 に対する反響の如何を問うたものだ、と私は思っています。 アクション大作と言えば予告でM・I・3をやっていましたが、 M・I・2が予想以上におもしろかったので、期待できるかな。 これも上海の扱いをめぐって中国当局と摩擦が生じているようですが。 <以下ネタバレを含みますので、ご注意ください> キリスト教圏で問題になっている「聖杯」伝説にからめたキリスト教 統一にまつわる裏面史としてのキリストの「人間」としての扱いは 映画製作に当たっては原作以上に問題となることを予想した のでしょう、弁解のような予防線を張っている感じでした。 その場面はソフィー自身が「聖杯」の血脈を引き継ぐ者であることが わかってからのラストに近い場面でのラングドン教授とソフィーとの 会話にみられます。その事実を公表すべきなのか、どうかで 迷いを見せるソフィーと教授との会話です。 会話の中で閉所恐怖症のラングドンが実は幼少の頃に 井戸へ落ちたことがあった、というエピソードを話すのですが、 この時必死になって神に祈った、と話してからこう言います。 正確な字幕ではないのですが、「結局何を信じて生きるか」 そしてソフィーは得心したような表情を浮かべるのです。 これは信じる信じないは観ているあなたが決めてください、 既成の概念を壊さなくても良いのではないか、という気持ちを 込めた監督のメッセージと受け取れなくもありません。 閉所恐怖症含め原作にない映画オリジナルですね。 歴史上の謎というのは何故か血が騒いでしまうのですが、 今回は一大宗教として社会の概念や権威を構築したもの に対する根本的な問いかけだけにスケールが違いますね。 キリスト教圏での社会的拡がりがどの程度になっていくのか、 葬式仏教徒としては予想もつかないのですが、その背景を 知る上でも、(映画を)一見または(原作を)一読する値は あるのかもしれません。
by capricciosam
| 2006-05-21 06:08
| 映画
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by capricciosam
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