さようなら岩城宏之さん

岩城宏之さんが亡くなられました。

最近演奏会をドタキャンされた報道がありましたので、
チラっと心配になったのですが、残念な結果となりました。

その死を悼む声があちこちで上がっていますが、
経歴紹介も含めて東京や金沢中心の活躍が主で、
十年以上の長きに渡り札響正指揮者、音楽監督として
札響の発展に寄与した
ことがほとんど抜けています。
オール武満プロの定期演奏会をやったり、映画「乱」の音楽を
録音したり、と意欲的に活動していました。
私も札響を強く意識したのは岩城さんが就任してからでした。
とは言っても、このコンビでの演奏会を聞く機会は、
どういうわけかありませんでした。
現在は桂冠指揮者としてたまに定期を振っていたようですが、
ラストチャンスとなった昨年も、ちょっと逡巡しましたが、
「まだ大丈夫」だろうと高をくくってパスしたため、
永遠にその機会は失われました。
また、以前メルボルン響を率いて来道した時も祖父が死んで
行けなくなり、やむなくキャンセルしました。
(アルプス交響曲、聴きたかったなぁ。)

それでも、一回だけ実演に接したことがありました。
以前のブログでも書いたのですが、
Kitaraオープン時のOEKとの演奏会です。
この時のシチェドリン編のカルメンとアンコールは絶品でした。
打楽器のおもしろさ。
人体も打楽器になる。
打つという行為は音楽を楽しむ原点なのだな、と
改めて認識した印象深い演奏会でした。

数多くのエッセイを出されていますが、そのうちの一冊の
「オーケストラの職人たち」に岩城さんはこう書かれています。

「準備万端整うのを待っていたら何事もできないから、
 まず決行するのが、ぼくの主義である。」
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このあたりの心意気が転移したガンと戦いながらの
大晦日のベートーヴェン交響曲のフル(振る)マラソン
あたりに現れていたのでしょう。
2回で終わってしまいましたが、まだまだ挑戦してもらいたかったな、
という気持ちが残りますね。

ご冥福をお祈りいたします。
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by capricciosam | 2006-06-14 00:50 | 時の移ろい | Comments(4)
Commented by f16fightingfalcon at 2006-06-19 00:34
こんばんは。TBありがとうございました。岩城さん、面白い方でしたね。演奏もさることながら、エッセイなど楽しく読んでいました。最近は小澤征爾さんも調子悪いみたいなので心配です。
Commented by yoyogi39 at 2006-06-19 09:02
最近は尾高さんの方が回数が多くなってしまいましたが、渡辺暁雄さんと岩城さんには、たくさんの音楽をプレゼントしてもらいました。
本当に惜しいですね。
Commented by capricciosam at 2006-06-19 20:50
>f16fightingfalconさん、コメントありがとうございます。
>岩城さん、面白い方でしたね
そうですね。指揮者というワクを軽々と越えた活動を展開していたような印象です。しかし、早すぎますね。
Commented by capricciosam at 2006-06-19 21:04
>yoyogi39さん、コメントありがとうございます。
>本当に惜しいですね。
まさしくそのとおりで、まだまだ活躍できたのではないか、と思うと、惜しみても余りあると思います。


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