福田進一@奈井江町コンチェルトホール2006

今朝福田進一さんのブログを偶然見たら、
今日奈井江町でリサイタルをするという。
しかも内容は京都、東京と同じ、というじゃありませんか。
気になって奈井江に問い合わせると当日券ありとのことで、
特に予定もないし、天気も良いので、ドライブがてら
急遽かけつけることにしました。

一部の最初はザンボーニの「ソナタ第6番」。
なんでも1500年代頃は楽譜を番号で書いていたとかで、
それが1700年代頃まで伝わっていたそうで、ザンボーニも
当時の作法に従ってそのように書いた楽譜を残したのだそうです。
リュートの味わいが残る曲でしたが、最後のガボッタは福田さんが
補筆したそうです。
2曲目はバッハの「シャコンヌ」。
今日のプログラムではこの曲しか知りません。
福田さんは時折祈りをささげるように、時にはその思いのたけを
吐き出すがごとく、弾き進めます。福田さんのすばらしい技巧が
原曲の味わいを失うことなく、「弾ききった」と私には感じられました。
巧みな編曲と演奏には感動しました。
3曲目の「ロッシニアーナ第2番」は「ポプリ」なんだそうです。
つまりロッシーニの原曲の聞き所ばかり集めてつなげたそうで、
なるほどきいてて楽しく、飽きません。

休憩後は次の開演時間の関係から、当初予定のポンセの
「南のソナチネ」が武満徹の遺作「イン・ザ・ウッド」に変更です。
3部にわかれて架空の森の様子が描写されているのだそうですが、
内面を見つめるかのごとく、一音一音を確かめるようなゆっくりとした
足取りで曲は進み、最後の音が弱弱しく空に消えていく様は、
死を迎える運命にある武満の心象を描写しているようでした。
5曲目はヴィラ・ロボスの「7つの小品」から前奏曲第3番と練習曲第1番。
そして、昨年12月の福田さんの誕生日3日前にブローウェルから
福田さんへ献呈された「ハープと影~武満徹の思い出に」。
武満作品にある空を切り裂くような和楽器の響きやハープのようなつまびき
のテイストがある、私にはちょっと難解な作品で締めくくられました。
なんでもこの曲を披露するのは今回で6回目くらいだそうです。

福田さんが時間を気にしつつも、アンコールを2曲。
一曲目は本番で割愛されたヴィラ・ロボスの「7つの小品」から
ワルツ・ショーロ。
素敵なかったるさです。好きですね、こんな感じ。
最後は「有名な曲が一曲もない演奏会だったので、有名な曲を」
ということで「アルハンブラの思い出」を弾いてくれました。

演奏会は福田さんがマイクを持ってMCをしながら進行していきますが、
その話ぶりからも飾らない人柄を感じさせ、好印象です。
しかもギターの調弦をしていて、さりげなく構えたな、と思ったら、
バリバリ弾き始めるのですが、両指の動きを見つめるだけでも、
ため息ものです。すごいテクニックですね。

最後に、会場となったコンチェルトホールですが、
250名にも満たない小ホールなのですが、壁から天井まで木が
ふんだんに使われて、まるでひとつのアコースティックな楽器の
ような感じです。演奏会でも福田さんが
「響きがすばらしい」とおっしゃっていましたが、実感できました。
近年PMFが会場にする訳です。

今回のリサイタルは「小さな音楽祭」という名の企画のようでしたが、
シリーズなのか、単発なのかわかりませんが、素敵なホールを活用する
意味でも、今後もさらに内容を充実して継続してもらいたい、と思いました。
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by capricciosam | 2006-06-18 19:49 | 音楽 | Comments(0)


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