心得違いの日銀総裁

村上ファンドへの出資で日銀総裁はどの位の利益を得ていたのか。
国会での答弁で「後日精査して明らかにする」として明言を
避けてきたが、今日ようやく公表された。

約6年で1473万円(いったん支払われた一時金含む)。
1000万円の出資だから、2.47倍、すなわち247%だ。
実に、すごい儲けだ。
もっとも、1000万円ポンと出資して「激励」できる総裁には
大した額ではないのかもしれない。リスク覚悟で出資した以上、
これくらいのリターンは当たり前、と思っていらっしゃるのかも
しれない。決して皮肉ではない。

ところで、銀行の定期預金の利息はどうなっているのだろう。
6/20現在のある銀行では1000万円以上の預金を6年しても0.45%だ。
つまり1000万円でも一年でたったの4.5万円。
「これだけなのか~。それに税もひかれるし~」
思わずため息。

この違いは単にうまいことやれた者とうまいことやれない者
との差だけなのだろうか。

利息でささやかに儲ける楽しみも庶民が奪われて久しい。
しかもこの低金利は、このボロ儲けした総裁が君臨する日銀の
「ゼロ金利」政策のお陰なのだから、なんとも皮肉なことか。
それにこの政策とて、企業の倒産を防ぐ目的で不良債権処理を
優先して、景気を回復するためだから、庶民よがまんせよ、
との趣旨だったような気がする。
一種の究極の選択だから、不満を感じつつも従がわざるを
えなかった訳なのに、その政策の元締めのトップが
「裏でちゃっかりうまいことやっていた」
としか見えない、というか勘ぐられてもおかしくない、という
外観を形成したのが今回の一件なのだ。
庶民感覚からしたら、「キタナイ」の一言か。

しかし、総裁は会見で「真摯に反省する」としつつも、
「職責は全うする」とおっしゃって、減俸処分をすることだけで
この件にけりをつけようとするが、なんとも理解できない話だ。

今回のことで多くの国民が日銀への不信感を高めたというだけ
でなく、「裏でうまいことやりぁいいんだ」という気分を醸成し、
倫理観の喪失に一役買っているというマイナス作用を斟酌
していないのではないか、という懸念を強く感じるからだ。
つまり社会へ悪い影響を与えている恐れがある、という
ことなのだ。それが大きな影響力のある日銀総裁の
やるべきことだったのか、ということなのだ。

 現担当職務と個人的利殖行為との間に直接的な関係が
 なくとも、過去の職歴や現在の職務上の立場等に照らし、
 世間から些かなりとも疑念を抱かれることが予想される
 場合には、そうした個人的利殖行為は慎まなければならない。
         (日本銀行員の心得より、下線は筆者)

総裁、世間では些かどころか「大いなる」疑念を抱いた人が
一人や二人ではないはずですよ。
依然なにか心得違いされているのではないですか。
追い詰められて何かを選択せざるを得なくなる前に、
減俸処分以外にも、自ら襟を正して決断できることが
あるのではないでしょうか。
[PR]
by capricciosam | 2006-06-20 22:18 | 時の移ろい | Comments(0)


<< 注目すべき話題の続き 福田進一@奈井江町コンチェルト... >>