ブラック・ダリア@映画

公開された初日に足を運びましたが、入りはいまいち。
今回足を運んだのは次の四点があったから。

・原作者が「L.A.コンフィデンシャル」と同じ
・監督が「殺しのドレス」のブライアン・デ・パルマ
・「マッチ・ポイント」で印象的だったスカレート・ヨハンソンが出演
・時代設定が戦後のハリウッドでの犯罪

<ネタバレ的内容です、ご注意ください>
映画自体は大きく①猟奇殺人事件と②二人の刑事とヨハンソンの3人の関係
を軸に絡み合いながら展開していきます。
これが伏線を散りばめながら、①と②を行ったりきたりなので、
頭で再構成する作業が必要となり、筋を追うのが少々大変でした。
この辺は原作を読んでいないので、どうなんでしょうか。
また途中のテンポももたつき気味、間延び気味なのに、
逆にラストで一気呵成気味に展開して、アレヨアレヨと解決していきます。
でももつれあった糸が解きほぐれていくこの辺りはうまく引き込まれましたね。
当時の繁栄の裏にある犯罪、退廃、腐食。
設定した時代の雰囲気をうまく伝えています。
ブライアン・デ・パルマ作品としては「殺しのドレス」というよりも
「ミッション・インポッシブル」のような冗長さを感じました。

ところで、どういう訳か最終的にメインとなる①の謎が解決しても
カタルシスを感じないのです。
これは、「L.A.コンフィデンシャル」との比較がヒントになるのでしょうか。
最後に主演の男女(刑事と売春婦、刑事と犯罪人の情婦と似たような間柄)が
結ばれるハッピーエンドは同じながら、「L.A.コンフィデンシャル」では
あの二人へすっかり"入れ込んでいる"自分を感じましたが、
「ブラック・ダリア」ではとうとう何の感慨も湧かずじまい。
「どうしたことか?」
これは、映画内での当の女性たちの「位置づけ」が関係しているのかも。
「ブラック・ダリア」では中盤から後半にかけては女性が①に関係する
ヒラリー・スワンクに重点的になり、最後にまた②に関係する
スカレート・ヨハンソンが登場しても、もともと映画の中でも
中心となる①に絡まず、かつ踏み込んだ描写ではない、という弱さのため、
観ているこちらとしては「L.A.コンフィデンシャル」におけるキム・ベイジンガー
が演じた役柄に対するほどの集中もなければ、共感も起こらない、
というように思いました。
最後のクレジットのcastではヨハンソンが2番目でしたが、やはり主役級は
メインとなる筋に多く露出してくれた方が印象的ですね。
最も①で演じたらどっちにしても殺されちゃって、ハッピーエンドは無理ですね。

恐らく重層的な構成の原作をうまくまとめて、映画としては合格の部類なので
しょうが、どうも「L.A.コンフィデンシャル」ほど心が揺さぶられることなく、
印象としては薄かったですね。
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<蛇足>
レズ・バーのステージで歌われる「ラブ・フォー・セール」はなかなか聞かせました。
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by capricciosam | 2006-10-15 20:28 | 映画 | Comments(2)
Commented by ミチ at 2006-10-16 15:14 x
こんにちは♪
TBありがとうございました。
私もこの映画を見に行ったのは同じ4点に惹かれたからです。
でも、「L.A.コンフィデンシャル」には到底及ばなかったですよね。
Commented by capricciosam at 2006-10-17 06:01
>ミチさん、コメントありがとうございます。
>でも、「L.A.コンフィデンシャル」には到底及ばなかったですよね
残念ながら、そのとおりだと思いました。刑事とヨハンソンのエピソードは底が浅く、本筋の興を削いでいるような感じで、終わってみれば全体の印象を散漫にしたのかな、と思いました。


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