アーノンクール&ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス@Kitara2006

指揮のアーノンクールは、毎年元旦恒例のウィーン・フィルの
「ニャー・イヤー・コンサート」に今世紀になってから2回も出演し、
一般にも広く知られるようになった、と思っていたのですが、
単なる私の思い込みだったようです。
今年札幌で聴ける一二を争うビッグ・ネームだったにもかかわらず、
ステージ周辺に比べ2・3階席の空きが目立ち、満席には程遠い入り。
どうも札幌では「古楽」とか「いかつい顔」はなかなか受けないようです。
(ゲルギエフも初の来札公演では空席が目立ちました)
しかしながら、そんな入りにもかかわらず、演奏は筆舌に尽くしがたいくらい
素晴らしく、一言で言えばまさしく「極上」でしたから、たまりません。
これだからライブは止められない(^^)

オール・バッハ・プロの1曲目は「管弦楽組曲第1番」
アーノンクールの指揮はやや抑制された動きの中で、
実に的確にオケから素敵な音楽を紡ぎだします。
しかも、そのブレンドされた音たるや、今まで聴いたオリジナル楽器
の演奏では上位に位置することはまちがいありません。
このオケの響きは、美しく澄んだ響きなのですが、決してきらびやか
ではなく、くすんだ輝きとでも言うような落ち着いたものでした。
古楽本来の音を洗練させたような、というのでしょうか。

2曲目は「オーボエとヴァイオリンのための協奏曲」
タイトルは地味ですが、冒頭のアレグロの主題が一度聞いたら
忘れられないくらい魅力的。
ヴァイオリンソロはコンマス、オーボエソロも団員でしたが、
息の合ったかけあいは見事で、ぐいっと引き込まれました。

休憩をはさんで3曲目は「カンタータ組曲」
独立したカンタータから、独唱者や合唱団なしのシンフォニアを
組曲のようにして聴かせてくれました。
チェンバロソロは団員でしたが、しっとりした響きの曲を
快活な趣の曲ではさみ、まるでチェンバロ協奏曲のようでした。

最後の4曲目は「管弦楽組曲第3番」
冒頭のトランペットとティパニが醸し出す輝かしい序曲が
次のエールでは一転する。有名な「G選上のアリア」である。
この曲を有名にするこの名だたる旋律が、最上の演奏で
会場に響いたが、まさしく「夢見心地」でした。
エールが終わるとガヴォット、ブーレ、ジークと動きのある
快活な舞曲が続いて曲は閉じました。
アンコールは「管弦楽組曲第4番よりガヴォット」
ステージ上から全員立ち去った後の粘り強い拍手に応えて、
最後はアーノンクールが単独でステージに。
これには、帰ろうとしていた客も一斉に立ち上がって拍手をした
のは言うまでもないことです。

最初に「ニャー・イヤー・コンサート」に登場した時に、ラストの
ラデッキー行進曲で、会場にくるりと振り向いて、しかも目をむいて
力強く指揮していた姿が強烈で、「エキセントリックな人」という
先入観が形成されていたのですが、いえいえどうして、指揮ぶりや
ステージマナーは実に「紳士」そのもの。
77歳という年齢を考えると、もう札幌で生のステージに接する可能性は
低いのかもしれませんが、ぜひお元気で活躍してもらいたいものです。
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by capricciosam | 2006-11-23 23:18 | 音楽 | Comments(0)


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