スズメフォーラム ★身近な野生から学ぶ

大雪に見舞われた1月が、まためぐって来ようとしている。
雪かきに追われていたら、いつの間にか庭の餌台からスズメの姿が
すっかり消えていた。「変な現象だなぁ、一体どうしたんだろう。」
でも我家だけの話ではなくて、春になると道内各地でスズメの大量死
と姿を見せなくなったことが報道された。
しかし、その原因は依然特定されず、原因不明のまま時は過ぎてきた。
街中で割りと簡単にスズメを見かけるようになったのは、夏から秋にかけて。
それでも我が家の庭にはスズメの姿はなかった。

冬になった。先日ようやく餌台に集まってくれたが、数は少ない。
やはり気になるなぁ、と思っていたら、ちょうど新聞で
スズメ大量死の謎に迫れ 17日北大でフォーラム」という記事が
目に留まり、良い機会とばかりに足を運んでみた。
会場は空席がそれほど目立たないくらい大勢の人が来ていた。
やはり私を含めた一般の人の関心も高い証拠だろう。

主催は鳥類研究家等で組織されたスズメネットワーク。
司会の方が、道内各地から駆けつけてくれた話題提供者も
まったくの手弁当と言っていたが、フォーラム自体は興味深く、
やる意義はあったと思う。それ故、主催された方たちや
話題提供された方たちの御労苦に感謝したいと思う。
フォーラムの内容はこちらで公開されているが、公開されているのと
ほぼ同様の内容が発表された。写真はパネル討論です。
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スズメは世界で6亜種に別れていて、日本、朝鮮、台湾、サハリンが
同じ種類を形成しているらしい。
ところで、スズメってどれくらい飛ぶことができるのだろうか。
新潟から標識調査したところでは最大600km離れた岡山まで飛んだ
ことが分かっているらしい。随分飛ぶのには正直びっくりした。

ところで、大量死については、やはり原因が特定できないらしい。
過去、世界で野鳥が死んだ場合の多くはサルモネラ菌であったらしいが、
今回のケースではサルモネラ菌が見つかったケースもあるが、
明らかにそうではないケースもあり、決め付けることは難しいらしい。
ただ、一度大量死が発生した場合、再発する傾向がある、とのことなので
海外で取られている餌台の消毒等の対策を打っていかないと、
特定の野鳥が減少して、自然界のバランスが崩れる恐れがあるらしい。

また、スズメは身近な野鳥とは言っても、個体数や生活史含めて不明な点も
多く、実態が把握されていないらしい。そこで、米国のイェール大学が拠点
となって米国内の野鳥観察結果を集約して、その動態把握をしているような
市民参加型のモニタリングの意義がクローズアップされてくる。
実際、北海道庁の担当者も「実態はわかっていない」と言っていたが、
これに某名誉教授が「実態把握は行政のやるべきこと」とかみついていた。
一見尤もなようにも思えるが、果たして行政だけの仕事なのか、と疑問が。
もちろん少数の研究者だけでやるべきだ、とも思わない。
広範な観察量が必要な野鳥の定点観察には一般市民の協力、研究者による
その観察結果の分析、そして行政による総合的な対策というネットワーク形成
が必要だろうと思う。問題はその仕組みが出来ていないことではないのか。
ただ、そのイニシアチブは行政がとれ、という意味だったのかもしれないが、
聴いていて、あれは単なる責任の押し付けとしか感じられず、いただけなかった。
むしろ、モニタリングであれば、鳥に対する見識のある研究側が見通しをもって
行政や市民をリードしやすいのではないか、とさえ感じた。
とにかく、意見を聞いていて、広範囲にモニタリングできる「仕組み」の構築を
急ぐべきなのだろう、という印象は残った。

また、フォーラムでは「誰でもできるスズメ定点調査のやり方」が紹介されていた
が、オヤジの私でもできそうなので、この冬やってみるつもりです。
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by capricciosam | 2006-12-17 23:55 | 時の移ろい | Comments(2)
Commented by rainbowfl at 2006-12-20 08:12
スズメの姿を見かけなくなった・・・とおっしゃっていたのをよく覚えています。
あれから1年になるのですね。
そういえばこちら横浜でもカラスやハトは見かけるものの、スズメは見なくなりました。
あの小さい体で600kmも飛ぶとは・・・すごいですね。びっくりしました。
定点調査とはいったいどんなものなのか、またレポートをお待ちしています。
Commented by capricciosam at 2006-12-21 07:21
>rainbowflさん、コメントありがとうございます。
>横浜でもカラスやハトは見かけるものの、スズメは見なくなりました
そうなんですか。フォーラムの中で北大野鳥研究会の大学構内での観察結果が示されていましたが、それによると今年1月に急激に個体数が減少しているとのことでした。そんなこともあって大雪の影響も言われたりしているのですが、横浜でも同様の現象なら大雪の影響とは考えづらいですね。
>定点調査とはいったいどんなものなのか
定点と観測時間を決めて一定距離に見える数を5分間数えるというもので、道具もいらないので気軽にできそうです。やった結果がでたら、また
お知らせしますね(^^)


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