奇跡のりんご作り

年末も押し詰まったこの時期に、時の流れを感じる訃報が。

◆青島幸男さん
 政治家として見れば、都知事時代の失速ぶりは痛々しく、
 晩年はその輝きを失っていたように感じました。
 でも、タレント(放送作家)としての活躍は「無責任」に代表されるように
 他に類を見ない、独特のものがあったと思っています。
 青島さんは江戸っ子だったようですが、同年代の
 前田武彦(知っている人も少ないかな!?)さんが
 「最近は全国で大阪弁が幅をきかせているが、
 昔はちゃきちゃきの江戸弁が幅をきかせていたんだ」
 と言って追憶していましたが、確かに、そんな気がしますね。

◆岸田今日子さん
 TVや映画で拝見するだけでしたが、独特の存在感があって、
 演技もお上手な方でしたねぇ。
 あの独特の語り口が印象深いのですが、
 「おぉ~おくは、…」とか「イ〇ナ、私は美しい」のナレーションが蘇ります。

さて、今年も振り返ってみると、書き残した事もチラホラ思い浮かび
ますので、「蔵出し」としていくつか書いてみます。
今日は、ひと月前くらいのNHK「プロフェッショナル」に出演されていた
りんご農家の木村秋則さん。

木村さんは「無肥料無農薬」でりんごを作られているとのことです。
家庭でくだものを作られた経験がある方はおわかりでしょうが、
無肥料無農薬では、とても満足なくだものは作れません。
それが病気や虫の被害をほとんど受けずに作り、
しかもおいしいと評判になっているらしいのです。
きっかけは、農薬に弱い奥さんの身体を気遣ってトライした
とのことですが、何年も実がならずに行き詰まり、
とうとう自殺を考えて山へ。ふと見ると、肥料も施されていない
どんぐりが、病気にもならず、虫にも食われずに実をつけている。
鈴木さんが不思議に思って木の地面を掘ってみると、
フワフワの柔らかい土だった、というのです。
「これだっ」
ひらめきを得て、死のうとしていたことも忘れ、
さっき来た山道を急いで駆け下りたそうです。
そして、「りんごの木が生きるのをお手伝いする」という
気持ちで、りんごの木が生きやすい土づくりから取り組み、
ようやくこの段階に達したそうです。

番組の中で、ものすごく萎びた半分に割ったりんごが紹介されて
いました。もう2年になるというのにカビも生えておらず、それどころか
かすかによい香りがするのだそうです。
常識では考えられないことです。
木村さん曰く
「自然は腐らないんですね。枯れていくんです。」

俄には信じられないものを見た思いがいまだに持続しています。
この話は司会をされた茂木健一郎さんのブログが熱いです。
11月3日の記事をご覧ください。
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by capricciosam | 2006-12-21 21:34 | 時の移ろい | Comments(4)
Commented by tokkey_0524zet at 2006-12-23 21:39
青島幸男さん、享年74歳だったそうですがそんなお年になっていたとは。
ここに来てまた偉大な方達の訃報が相次ぎましたね。
ご冥福をお祈り致します。
Commented by capricciosam at 2006-12-24 07:36
>tokkey_0524zetさん、コメントありがとうございます。
>享年74歳だったそうですがそんなお年になっていたとは
第一線で活躍されていた方は、見かけはそんなにふけないものですね。私も実際の年齢を知って驚きました。
Commented by rainbowfl at 2006-12-25 22:37
私もこの番組見ておりました。
木村さんは実年齢(60代と記憶しています)よりもちょっと老けた感じの方(失礼を省みず)で、額のシワや頬のこけ方にこれまでの辛く大変だったご苦労が垣間見えるようでした。
でもとても優しい笑顔の方でしたね。^^
印象に残っているのはcapricciosamさん同様、収穫して2年にもなる萎びたりんごのこと。
それから7年目にしてやーっとりんごの木一面に白い花が咲いたときの感動のこと。
そして機械に頼らず全てを手作業で行っていること。それは非常に手間と時間がかかるけれども、そうすることでりんごが応えてくれるかのように美味しい実をつける。。。
今の時代と逆行する作業だけれど、だからこそあれだけのすごいりんごが生るのだという現実。
1個300円では申し訳ないような価値のあるりんごに私もお目にかかってみたいです。
Commented by capricciosam at 2006-12-26 00:10
>rainbowflさん、コメントありがとうございます。
>とても優しい笑顔の方でしたね
>7年目にしてやーっとりんごの木一面に白い花が咲いた
この時、木村さんは嬉しくてお酒を飲みつつ、小躍りしながら一本ずつかけて歩いた、とおっしゃっていたと思いますが、あの時の嬉しそうな笑顔。
ほんとにあれだけの苦労をしながら、どうしてあんなやさしい笑顔ができるのでしょう。
>1個300円では申し訳ないような価値のあるりんご
司会の茂木さんはご自身のブログでは、もっと高くとってやっていいんだ
と怒りをにじませておっしゃっていますが、値はあるでしょうね。


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