オペラ座の怪人@映画

◆ せつないなぁ、怪人はいずこへ…
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  怪人が失踪して数十年が経ったオペラ座の公開オークション。
  そこで年老いたラウルはかつて怪人が愛でていたオルゴールを
  手に入れ、今は故人となった妻のクリスティーヌの墓を訪ねる。
  その墓地はかつてラウルが怪人と決闘したところ。
  墓にオルゴールをたむけようとすると、そこには黒色のリボン
  を結んだ一輪のバラが…

  全体としては、かつて観た劇団四季の構成とほぼ同じながら、
  このラストは映画版ならではの演出。
  このシーンで、怪人のクリスティーヌへの思いの深さを改めて知り、
  かつまだ生きていたのかと思わせられ、観客は思わずイスに
  座り直すことに。
  さらに、ステージと異なる演出は仮面舞踏会。
  舞踏会はろうそくによる照明らしく全体が黄色い明るさに
  包まれている。
  そこに、登場する男女は白黒のモノトーンのような衣装、小道具
  で統一され、赤い衣装の怪人が登場する不気味さを一層
  引き立たせている。
  この点、劇団四季の演出はまったく逆で、この場面が一番色彩に
  あふれ、怪人もこの色彩に同化した中で登場する。
  コントラストが大きい分、観客の感情の振れ幅も大きくなる、
  というものか。この場面の演出は映画にうまさを感じる。
  
  しかし、冒頭のシャンデリアから時代が遡る演出や、地底湖の中を
  怪人がクリスティーヌを連れて船を操る幻想的なシーンは四季版に
  うまさを感じるのだが、映画ならではの演出も随所にある。
  特に、バラ。
  劇場版でも重要な役割だったのだろうが、印象が薄い。
  この点、映画ではクローズアップを多様して怪人の思いを表す
  象徴的な役割を効果的に果たしているように感じた。
  展開のメリハリとかスムーズさは四季版に一日の長がある、
  と思うが、出来としては結構互角に近いか。
 
  でも、なんといってもA・ロイド・ウェーバーの「音楽」。
  映画では少々ロマン派風のアレンジだったが、それでも曲本来の
  力はいささかも損なわれることなく観る者の胸に迫ってくる。
  「オペラ座の怪人」と言えば、A・ロイド・ウェーバーというくらい、
  原作者以上の結びつきになっているのは、この魅力的な曲に
  よるのだろう。これは映画でも変わらない。
    
  でも、せつないなぁ。怪人の思いを想像すると…
  もちろんせつなさが怪人の境遇に由来するところもあるのだが、
  ・恋をする
  ・人を好きになる
  これを経験した人にこそ、この作品の良さがしみじみとわかるん
  じゃないのか、とこの作品に触れるたび思っててしまうのは、
  私だけだろうか。
  きちんとツボを押さえて上質な作品に仕上げてあるのは、
  好感が持てる。

  なんてことを観ながら思い浮かべて、ふと隣に座ったかみさんの
  横顔をみる。真剣にスクリーンに魅入っている。
  終わって感想を聞いてみると、かみさんも満足だったようで、
  いっときイイ時間を共有できたようだ。
  
  ところで、パンフレット写真にひとつ明らかな間違いがある。
  答えはすぐにみつかると思うが、気になる方は映画館に
  足を運んでみてはどうか。

  追:サーバー不調により画像がアップできないので、写真は後で。
  
  追追:ようやく復旧できたようです。やれやれ。
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by capricciosam | 2005-02-02 19:36 | 映画 | Comments(0)


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