佐々木譲講演会@石狩市民図書館2007

石狩市民図書館で、リンクさせていただいている道内在住の
プロ作家佐々木譲さんの講演会が行われたので、
ちょっと遠出してでかけてきました。

天気も良く、主要幹線道路には雪はすっかりありません。
快適なドライブとなりましたが、石狩市もしばらく行ったことがないので、
道がすっかり変わっていて、ちょっと迷いました。
c0007388_20264299.jpg

さて、ほぼ定刻どおりに始まった講演は
「読書の楽しみ・本のある暮らし」
と題して時間をオーバーして行われました。会場は満席です。

最初に「サプライズ」として自作の朗読が行われました。
プロ作家が自作を朗読する例は少ないようです。
故吉村昭さんは生前北海道によく取材に来られ、北海道を舞台とした
作品を作られていますが、その北海道取材旅行の追体験をされた
雑誌掲載前のルポルタージュを読んでいただきました。
羅臼から始まって札幌で終わるルポを、佐々木さんは張りのある声で
あまり抑揚をつけずに、やや早口気味に朗読されていきます。
目を閉じて聴いていましたが、あの余韻を残した終わりは素敵でした。
興味のある方は次号の小説新潮でごらんください。
<3.24追記>
朗読されたルポは4月号の特集「吉村昭-矜持ある人生」の中の
名作紀行「失われたもの、残された記憶」です。3.22発売


次に読書についてですが、ご自身の成長とともに、どのような読書体験を
されてこられたかを紹介してくださいました。実にいろいろな本をお読みに
なっていらっしゃいますが、「活字が好き」というのが根っこにはあるようです。
これには「やはりなぁ」と、妙に納得してしまいました。
読んでばかりいたら、次第にご自分で書いてみようという気持ちがつのり、
実際に書き始められたのはキネマ旬報への投稿だったとのことです。
それも読者欄ではなく寄稿家として、つまりセミプロ級だった訳ですね。
そして、道東にある仕事場の書棚を紹介されていましたが、
そこももうすぐ満杯となるくらいの相当量の蔵書をお持ちのようです。
作品を作る上で膨大な資料が必要になるそうですが、そもそも
図書館にいかなくてもよいくらい本を集めてやろう、と決めたきっかけが
「図書館」だったとは意外でした。
お話で紹介された杓子定規な図書館の例には、正直驚き、あきれました。
(講演後、石狩市民図書館の方が、わが図書館は違うとフォローして
いましたが、紹介された例が非常識過ぎますからね、気持ちわかります)

それから図書館のことを、
静謐で「人類の英知が自分を見つめているかのよう」で好き
とおっしゃっていましたが、特に「 」部分には共感できますねぇ。
ホント、私もそんな気持ちに襲われたことがあります。

最後に、「小説家の発想の秘密」として自作誕生のきっかけの事情を
「ベルリン飛行指令」「ストックホルムの密使」「昭南島に蘭ありや」
「ワシントン封印工作」「天下城」
以上5作にわたってお話くださいました。
ある事柄に関してのぼんやりとした考えがあるきっかけ、例えば言葉や
歴史上の事実から想像力が刺激され、発展して(佐々木さんは「化学変化」
と例えていましたが、うまい例えですね)、作品化されていく。
あるいは当時の関係者や当時を生きた人の証言、あるいは現場踏査を
することで作品が形作られていく。
プロ作家の貴重な創作の一端を知ることができましたが、
これは実に興味深かったですね。

講演終了後、著作へのサイン会が行われたので、私も並んで
サインしていただき、リンクさせていただいているお礼も併せて
述べてきました。ちょっとびっくりさせてしまったようで、恐縮です。
c0007388_21232917.jpg

<おまけ>
写真は開会前の会場ですが、プロ作家の東直己さんもいらしてました。
お二人とも日本推理作家協会賞を受賞されているのですが、
佐々木さんは「エトロフ発緊急電」で第43回に、東さんは「残光」で
第54回にそれぞれ受賞されていらっしゃいます。
[PR]
by capricciosam | 2007-03-21 21:19 | 講演会 | Comments(2)
Commented by シリウス通信管理人 at 2007-03-22 00:21 x
サムディ様
いつも、コメントありがとうございます。
当方、この催しも結局行けなかったのですが、
サムディ様の記事を拝見して
後からでも様子がよく伝わって来て
大変ありがたいです。

当方のトラックバックの不調、大変すみません。
サーバーの「ライブドア」の方でも
コメントとトラックバックの不調を発表、原因調査中とのこと
http://blog.livedoor.jp/staff/archives/50560878.html
最近、貴重なトラックバックを何件もフイにしているので
早い復旧を当方も待ち望んでいます。

今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。
Commented by capricciosam at 2007-03-22 07:23
>シリウス通信管理人さん、TB&コメントありがとうございます。
>様子がよく伝わって来て大変ありがたいです
そう言っていただけて嬉しいです。佐々木さんのお話にはプロ作家ならではの薀蓄があり、大変有意義な時間を過ごすことができました。遠出した甲斐がありました。TBの件はサーバー側の不調ではしょうがありませんね。早く復旧されると良いですね。
それでは、こちらこそ今後もよろしくお願いいたします。


<< 春らしく…なのか、春だというの... 銭湯並み >>