駐車場から盲導犬協会に向かって歩くと、
盲導犬と歩く体験歩行の一団がこちらに歩いてくるのとすれ違う。 健常者がアイマスクをして盲導犬誘導を体験するのですが、 その中の一人の女の子は、誘導の思いがけない早さに怖くなったのか、 途中でハーネスを離してしまいました。 「無理もないかな…」 と言うのも、我々の歩行スピードとほぼ変わりなく盲導犬は誘導してくれます。 でも、私たちは見えない状態で普段の見えるスピードで歩けるでしょうか? いくら「慣れれば」とか、「恐る恐るなら」とは思うものの、 そう簡単にできるものではないように思えます。 それ故、恐怖が先立つのが当たり前です。 それを難なくやってしまう盲導犬と盲人のみなさんには頭が下がります。 今回はこれまで見逃していた「盲導犬デモンストレーション」を見れました。 4頭の盲導犬候補が参加して、基礎的な訓練の一部を実際にやって 見せてくれるのです。 大勢の人が見守るという普段とは異なる状況では、 時には指示通りにならないこともありましたが、これはご愛敬です。 失敗しても、楽しそうな笑い声に包まれるだけです。 訓練の中でも、感心したのは道路を横断する時です。 歩道の縁では必ず立ち止まり、人間の「行け」という指示がなければ動きません。 この時も歩道の縁石で立ち止まりました。でも、指示を出さなければ、 いくら人間がハーネスを引っ張ろうともビクともしません。 危険から人間を守るという訓練が徹底しているからなのですが、 さすが頼りなる存在です。 それから、毎回欠かすことができない老犬ホーム。 5~6頭がいましたが、そのうちの一頭「ジル」は、 どういう訳か、前足をあげて「お手」をし続けるのです。 最初見つけた時は、祭壇横のフトンの上に寝そべっていて、 その前に正座した女の子のひざに両足をのせていました。 その子が立ち上がろうと片足ずつはずすのですが、いくらはずしても、 その足を元にもどしてきます。 その子が何回試みてもそうしてくるので、頃合いを見て、すばやく外して 立ち上がったのですが、すると、立ち上がってこちらに歩いてくるのです。 カミサンがしゃがんで頭をなでてやると、やはり片方の前足をあげて お手をするのです。カミサンも好きなので、いろいろ話しかけていたのですが、 一向に止める気配がありません。 そろそろよい頃かな、と足を離してやると、別の片足をすかさずあげてくるのです。 これにはカミサンもすっかり喜んで、しばらく相手をしていました。 元のユーザーとの間で身につけた習慣だったんでしょうか。 老犬ホームには天窓があり、室内の中程に光が差し込んでいました。 室内の喧噪をよそに、一頭の老犬が気持ちよさそうに寝ていました。
by capricciosam
| 2007-04-23 00:14
| 時の移ろい
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by capricciosam
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2010年直木賞受賞 佐々木譲資料館 ◆札幌在住8年、 2007年秋京都へ 2014年木更津へ 志水辰夫めもらんだむ ◆「蔵吉」さんのブログ メニューはクラシックCDア・ラ・カルト ◆「ぼくてき」さんのブログ 昭和30's生まれの普通の日々 ◆「むぎ」さんのブログ さや すか くちん ブログパーツ
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