昨年結成60周年を迎えてワールドツアーを開始し、
ラスト2週間は日本で公演するという弦楽四重奏団の老舗。 公演パンフに記載されていたジュリアードSQの演奏特色は 「①明快な構成力 ②音色の美しさ ③完璧なアンサンブル ④卓抜した統一感」とあった。 確かに、一曲目のモーツァルト弦楽四重奏台9番「不協和音」から、 ①から④まで、ひしひしとステージから伝わるような感じで、 不思議な導入部が印象的なこの曲に聞き入っていた。 自分としてはこの一曲だけでも足を運んだ値は十分あったのだが、 さらなるハイライトは二曲目のバルトーク弦楽四重奏第3番にあった。 4部が休みなしに演奏される15分ほどの曲ながら、当時としては 画期的な技法が駆使された、決して耳になじみ易いとは言えないこの曲を ①から④に加え、圧倒的な迫力で演奏してくれた。 しかし、休憩後の三曲目シューベルト弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」は 前2曲とは一転して、各人がのびのびと弾く分、③や④は感じられず、 おやおやどうしたことか、と内心疑問符だらけであったが、それも楽章が 進むにつれてアンサンブルも安定した。 ほぼ不動のメンバーのもと世界でも一級の響きを堪能できました。 鳴りやまぬ拍手に応えて、アンコールにメンデスゾーンの作品からスケルツォ。 この演奏会を知ったのはごく最近のことで、チケットを買いに言った時は まだ残券が二桁で残っているような話で心配していましたが、 どうやら完売だったようで満席。マナーも守られ、気持ちよく聴くことができました。 会場となったのは札幌のお隣の江別市大麻(おおあさ)にある「えぽあホール」 客席数500席に満たない小ホールですが、地元えべつ楽友協会の 設立10周年記念事業の一環だったようです。過去にはアリシア・デ・ラローチャ、 ハーゲン弦楽四重奏団も演奏したことがあるようです。 今回の日本ツアー、ググッてみたところ5/30・31東京、6/1岡谷、 そして道内は三カ所6/2帯広、6/3江別、6/4旭川、また本州に戻って 6/7松江、6/8神戸、6/9豊田、その後は米国で6/19・20ラヴィニア音楽祭 まではわかりました。6/2以降の国内は江別のプロと同じようです。
by capricciosam
| 2007-06-03 19:19
| 音楽
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