人気ブログランキング | 話題のタグを見る

葉桜の季節に君を想うということ@文春文庫

先日PMFブックカバーの話を書きましたが、その時買って
カバーしてもらったのが、写真の文庫本です。
2003年に単行本として発刊され、2004年の「このミス」1位
だそうですから、お読みになった方も結構いらっしゃるでしょうね。

一見無関係な挿話が、このストーリーの最重要キーが明らかと
なる中で見事につながるのですが、著者のテンポ良い語り口に
一気読みでした。そして、まんまと騙されてしまいました。
(うまいなぁ~)
究極であるかどうかは別として、カバー裏表紙に書いてある
「徹夜本」は当たっていました。
著者の読者をミスリードする力はたいしたもので、「思いこみ」というか
「錯誤」を重ねていったのですが、このあたりがこの小説を成り立たせる
最大の要素だろうと想いました。
例え騙されるにしても、妙に後味さわやかなのは、
「恋愛」が余韻を残すからなのでしょうね。
たとえ、いくつになっても恋するときめきは良いものです。
(おっとこれ以上書くと、ネタバレになりそう…)

なかなか楽しめる一冊でしたが、ただ一点難を挙げるとすれば、
原作に忠実な映像化は困難だろうな、という点です。
ビジュアル化したら、ミステリそのものが成り立たない恐れが…
さて、どうしてでしょうか!?
未読の方は、この一点だけでも楽しめると想いますよ。
しばし暑さを忘れて楽しめた一冊でした。
(しかし、今夜は雨も近いせいか蒸します、ふーっ、暑い)
葉桜の季節に君を想うということ@文春文庫_c0007388_22521094.jpg

by capricciosam | 2007-06-14 22:52 | 読書


<< いつかくる老後 暑いし、不調!? >>